構音の解説

4歳でカ行とサ行が言えないのはおかしいこと?~音声学と小児発達学~

公開日:2018年12月18日

 
 

 
 
 

4歳でカ行とサ行が言えないのはおかしいこと?

個人差はありますが、

「かきくけこ」つまりカ行は3歳頃から言えるようになる音です。

サ行において
「さ・す・せ・そ」は4歳半ば。
「し」はもう少し簡単で4歳前くらいからです。

このように、発音ができる時期はその音によって異なります。

詳細記事:【構音の正常発達】カ行・サ行・ラ行、何歳で言える?

以上のことから、

4歳でカ行が言えないのは一般的な発音の発達からみるとやや遅いと考えられます。

一方で、

4歳でサ行が言えないというのは判断が微妙で、その背景や今後の経過も含めて考えることになるでしょう。

以下、もう少し詳しく。
 
 
 

カ行とサ行の発音の仕方

カ行の音

カ行の音は舌の後ろの方を上げて空気の流れを調整することで作ります。

舌の奥の方を医学的に「奥舌(おくぜつ)」と言います。

カ行の音は奥舌を使う音です。

私達が日常生活において奥舌を使うのはカ行の発音以外に、たとえばうがいがあります。

上を向いてするガラガラうがいも奥舌を使う動作です。
 
 

サ行の音

サ行の音は「さ・す・せ・そ」と「し」では微妙に発音の仕方が異なるので分けて考えます。

「さ・す・せ・そ」は舌先を使う音です。

お子さんによくあるのが、サ行がタ行になるパターン。

「さかな」が「たかな」になったりするパターンです。

タ行の音は舌先が上の歯につきます。
サ行の音は舌先が上の歯につきません。

この微妙な使い分けが幼い子供はまだできないわけです。

そして「し」は「さ・す・せ・そ」よりわずかながら舌の後ろで使います。
 
 
 

言えないときはどうしたらいいのか?

発音のことを医学的に「構音(こうおん)」と言ったりします。

ゆえに発音の練習をすることを専門機関では「構音訓練」と言ったりします。

発音がうまくできていない場合、
構音訓練はおおむね4歳以降から始めることが多いです。

3歳頃から構音訓練をすることはあまりありません。

1つは発音や言葉の発達がまだ不十分であること。
2つ目はそれ故に「発音教室」みたいな勉強をしてもいまいち集中できないこと。
こういった点からです。
 
 
 

まとめ

「かきくけこ」つまりカ行は3歳頃から言えるようになる音です。

サ行において
「さ・す・せ・そ」は4歳半ば。
「し」はもう少し簡単で4歳前くらいからです。

ゆえに4歳でカ行が言えないのはちょっと遅いかなという印象ですが、サ行に関してはまだ判断が微妙でしょう。

構音訓練はおおむね4歳以降から始めることが多いです。

お子さんの発音について心配なことがあれば、最寄りの小児科や専門機関に相談してみてもいいかもしれません。

大切なのは一人で悩まず相談することです。
 
 
 

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参考資料

-構音の解説

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