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アスペにとって「好きにしていいよ」が一番困る

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アスペルガー症候群やそのほか発達障害、あるいは人とのコミュニケーションが苦手な人。
そういう人達にとって言葉の裏の意味読みとることはなかなか難しいです。
 
 
 
【なぜ言葉の裏を読めないのか?】
言葉にされない人の気持ちを汲み取ることが難しい理由はいくつかあります。
 
 
☑非言語的な表現の気づきにくさ
例えば表情が露骨に曇っていれば、言葉で「元気です」と言ってもそれは社交辞令だなとわかるものです。

そわそわしていたり話を早くまとめようとしていれば、口では「いいよ」と言っていても早く会話を終わらせたいんだな、急いでいるんだなとわかります。

コミュニケーションは言葉だけでなく、表情やしぐさといった非言語的な要素が関わってくるものです。

この非言語的な要素の読みとりは、人に対する認知の力によるものです。
認知の力には個人差があり、コミュニケーションが苦手な人はこの認知の力が苦手な傾向にあります。

ですので言葉や約束事などはっきりと明記されたものを手がかりにコミュニケーションをとろうとしてしまいます。
 
 
☑文脈を意識した理解の苦手さ
「これ食べていいよ」と言われたとします。
この言葉の意味は文脈により変わります。

お腹いっぱいだから。
おいしいから共感してほしい。
嫌いな物だった。

言葉の意味を理解するためには、その言葉だけでなく、前後の関係性も把握しなければなりません。

コミュニケーションというものは「今・ここ」だけでなく、「これまで」と「これから」を考えた上で判断しなければならないのです。

コミュニケーションが苦手な人は、この過去・今・未来を同時に捉えてコミュニケーションをとることが苦手です。
「今・ここ」での言葉の意味しか捉えられないのです。
 
 
 
【「好きにしていいよ」が一番困る】
世の中の人は、言葉の裏の意味や暗黙のルール、人の言葉以外の表情やしぐさを理解した上でコミュニケーションをとります。

そのような人達にとっては、世の中はルールがきっちりしているよりあえてルールがゆるい状態のほうが生きやすいものです。
状況によって臨機応変に対応し、場に合わせた行動ができるからです。

しかしコミュニケーションが苦手な人達は違います。
ルールがゆるいということは、言葉にならないことを自分で判断しないといけないということです。
自分で判断すれば、人とずれる可能性があります。

ルールがはっきり決まっていないので、
「こういうときは普通みんなどうしているのだろう?」とそういうことばかり考えてしまうのです。

あるいは「ルールに書いてないからいいや」とどんどん自分勝手に進めて人とずれてあとからトラブルになってしまうのです。

ルールがいちいち決まっていないというのはある意味「自由」なことです。
しかし言葉の裏の理解が苦手な人達にとってはとても不自由なことです。

世間の人達にとって不自由とは、きっちり決められすぎて窮屈という意味です。
アスペの人達にとって不自由とは、きっちり決められていないからどこまでが許容範囲かわからず行動できないという意味です。

世間の人達にとって自由とは、ルールは大枠だけであとは臨機応変に動いていいということです。
アスペの人達にとって自由とは、きっちりとしたルールがあって、それさえ守ればあとは自分なりに自由にやっていいということです。

 
 
 
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