摂食嚥下

嚥下における「相」と「期」とは? 摂食嚥下運動の過程の評価

投稿日:2017-05-08 更新日: 2017-10-03

人が物を食べたり飲んだりすることを摂食嚥下と言います。

摂食嚥下には段階があります。
平たく言うと噛む段階や飲み込む段階ですね。

これらをもう少し専門的に見ると、
摂食嚥下運動は「相」という考え方と「期」という考え方があります。

「相」とは食べ物が体のどの位置にあるかで摂食嚥下を段階分けする考え方です。
つまり食べ物目線なわけです。

「期」とは脳神経がどのような摂食嚥下の指令を出しているのかで段階分けする考え方です。
「噛む」指令を出しているのか「飲み込む」指令を出しているのかなど。
つまり神経目線なわけです。

当然、食べ物が口の中、つまり「噛む」タイミングの時に神経が「飲み込む」指令を出していては摂食嚥下はうまくいきません。

食べることや飲み込むこと、つまり摂食嚥下がうまくいかないことを摂食嚥下障害と言います。

摂食嚥下障害は「相」と「期」がうまくかみ合ってない状態で生じます。
 
 
 

 
「相」は食べ物の目線の段階分けです。
「口腔相」・「咽頭相」・「食道相」に分けられます。
 
 
「口腔相」
口腔相は口の中で食べ物が噛まれている段階です。
噛むことを「咀嚼(そしゃく)」、噛むことで飲み込みやすくなった食べ物を「食塊(しょっかい)」と言います。
 
 
「咽頭相」
飲み込む段階です。
食塊が送りこまれます。
 
 
「食道相」
飲み込まれたあと、食道の段階です。
 
 
 

 
「期」は神経目線の段階分けです。
「認知期」・「準備期」・「口腔期」・「咽頭期」・「食道期」に分けられます。
 
 
「認知期」
「食べようとする」段階です。

私達は物をいきなり食べようとするわけではありません。
「あ、ケーキだな。おいしそう」
「熱そうなコーヒーだから気をつけて飲もう」
「こぼさないよう気をつけよう」
私達は無意識に食べるにあたっての心がまえをします。

この食べ物を認知し最適な身体の動きを予想する段階が認知期です。
 
 
「準備期」
噛む段階です。
身体に食物を取り込む、つまり飲み込む前に必要な準備の段階です。
具体的には咀嚼して食塊を作る段階です。
 
 
「口腔期」
飲み込む直前の段階です。

噛むときと飲み込もうとするときは口の動きが異なります。
飲み込もうとするときは口が食塊を奥の方へ押しやります。
口腔期は飲み込もうとする段階です。
 
 
「咽頭期」
咽頭期はまさに「飲み込む」段階です。

食べ物を飲み込む時は、気道の入り口を塞ぎ食道への入り口を開けておくなど特殊な身体の動きが無意識に行われてます。
 
 
「食道期」
飲み込まれた食塊が食道に入った段階です。
 
 
 
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