手先の器用さの対象年齢考察

ハサミを使えるのはいつから?何歳から?|子供の手先の器用さの発達 年齢別の練習方法

公開日:2018年11月14日


 
 

ハサミは何歳から?

子供は何歳くらいからはさみを使えるものなのでしょう?

「はさみを使う」の定義は様々ですが、

 幼児期においては
 「直線や曲線に沿ってある程度切ることができる」
 「簡単な形を切り抜くことができる」
 といった内容がはさみを使える目安になるかと思います。

 以上を踏まえると、
 はさみは3歳頃から使え始め、4歳頃には基本的な使い方ができるようになると考えられます。

 
 
 

子供の手先の器用さの発達

ハサミを使えるようになる年齢

 子供の発達に関する検査に、遠城寺式乳幼児分析的発達検査というものがあります。

 上記によると、
 単にはさみで紙を切る動作は3歳頃。
 紙に書かれた直線に沿ってはさみで紙を切る動作は4歳頃の発達であることがわかります。

 
 

子供の発達とハサミの解説

 はさみは手先(指先)の器用さが必要な道具です。

 はさみは指をグリップに通し、手を開いたり閉じたりすることで刃を開閉します。
 そのため4本の指と親指が別の方向へ動かすことが前提となります。
 そしてはさみを使うときは紙など切る対象の物を反対の手に持ちます。
 片方の手ではさみを動かしながら、もう一方の手で紙を支えたり動かしたりします。

 このように、はさみを使うということは、両手それぞれが別の動作をできるようになるということです。

 単に刃を開閉させるだけでなく、両手が別々の動作をバランスをとって行うということがポイントになります。

 
 
 

子供にハサミを使わせる上で気をつけること

親の見守り

 ハサミは刃物ですから、初めて使う場合は大人が見守ってあげましょう。

 また、「一旦置いてみようか」「今日はここまでにしようか」「少し力を抜いてみて」など、

 大人の指示を落ち着いて聞くことができる習慣が備わっているかも大切です。

 落ち着きがなく衝動性の強い子にいきなりハサミを扱わせるのは危険かもしれません。
 大人の指示が通る相互性をつけることも大切です。

 
 

不安にさせない

 無理にハサミを使わせて、子供に恐怖感や不安を与えてしまうとその後の活動に消極的になってしまいます。

 その子ができることから少しずつ始めて、慎重に扱えつつも自信をつけさせてあげることが大切です。

 
 

見本や言葉を伝える

 焦らずゆっくり刃を開閉する。
 紙を持っている手をハサミで切らないように気をつける。
 ハサミを相手に渡すときは、持ち手を相手に向ける。

 ハサミに関する所作を1つ1つ見本にしたり言葉にしてあげましょう。

 「これくらい言わなくてもわかるだろう」と大人が思っても、意外と子供はわからなかったりします。
 大人と子供の活動内容を共有することは大切です。

 
 
 

年齢別のハサミの練習の仕方

3歳児のハサミの練習

 
 

4歳児のハサミの練習

 
 

5歳児のハサミの練習

 
 
 

おすすめの子供用ハサミ

 
 
 

おわりに

はさみというのは指先の器用さが必要になる道具です。

はさみを使うにははさみを持つ方の手だけでなく、紙を支える非利き手の使い方も重要です。

単にはさみの刃を開いたり閉じたりして紙を切るだけなら3歳前後から可能かもしれません。

しかしそこから一歩踏み込んで、
たとえば紙に書かれた線に沿って形を切り抜くような動作は4歳頃からになるでしょう。
 
 
もちろん子供の発達には個人差があります。

特にはさみは刃物であり、無理強いさせてやるものではありません。

「もう4歳だからはさみを使えるようにならなきゃ」と親が無理強いして、もし怪我でもしたら子供には恐怖感しか残りません。

子供の成長には子供自身の興味や意欲が欠かせません。

親ははさみが使えるようになってほしい。
けれど子供自身ははさみに興味を持っていない。

だったら別の遊びで手先の器用さを刺激してはいかがでしょうか?

たとえば砂場やねんどなどの造形遊びは楽しみながら自然と指先を使うのでおすすめです。

 
 
 

参考資料

『遠城寺式乳幼児分析的発達検査法について』(認知神経科学会)2023年3月18日閲覧

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