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知能指数(IQ)の理解に重要な「平均」と「標準偏差」とは?

投稿日:2017-02-18 更新日: 2018-10-18

IQはその人の知能を知る上での目安になります。
今日はIQという数値をより理解するための内容を書いていきます。

IQのざっくりとしたイメージだけ知りたい方は過去記事をどうぞ。

補足記事:IQとは?
 
 

 
 
 

知能指数(IQ)における「平均」と「標準偏差」とは?

IQにおいて、

「平均」とは文字通り平均の値で、最も多くの人が取る値のことです。

知能検査の種類にもよりますが、おおむねIQの平均は100とされています。

「標準偏差」とはデータのばらつき具合を占める値で、標準偏差が大きい検査ほど、高い点数を取る人と低い点数を取る人の振れ幅(格差?)が大きいということになります。

標準偏差も知能検査によって値は異なりますが、平均100に対して標準偏差は15前後であることが多いです。

以下、もう少し詳しく。
 
 
 

IQの意義

例えば人の能力を測るためにテストをしたとします。
みんな100点のテストで取った60点と、みんな10点だったテストで取った60点は同じ点数でもその意味は違います。

みんな100点のテストの60点は優れているとは言えません。
みんな10点のテストなら60点でも優秀な可能性があります。

何人が何点を取ったかというデータのばらつき方で、同じ点数でもその人の評価は変わります。
ですので個人の点数だけでは個人の能力を客観的に評価するには不十分です。

「じゃあ平均点と比べればいい」という考えが出てきます。

しかし
10点・10点・100点の平均点は40点です。
10点・55点・55点の平均点も40点です。
平均点は一緒ですが、一方は「ひとり頭のいい人がいる」と解釈でき
もう一方は「ひとり勉強に着いていけていない人がいる」という解釈ができます。

つまり平均点とその人の得点だけではやはり評価がブレるのです。

集団の中でのその人の能力を正確に把握するには、データのばらつきの把握が必要です。

IQはデータのばらつきに着目した数値です。
 
 
 

平均と標準偏差

IQを測るには知能検査が必要です。
IQを測る知能検査には必ず「平均」「標準偏差」が設定されています。

知能検査における平均値は、一番多くの人が取るであろう値のことです。

そして標準偏差はデータのばらつきの程度です。

「平均」と「標準偏差」の値は知能検査ごとに異なります。

例えば知能検査であるウェクスラー式
平均:100
標準偏差15

となっています。

ウェクスラー式の知能検査の場合、100前後のIQの結果になる人が最も多くいるということです。


上の図はIQの分布です。
縦軸が人数で上にいくほど多くなります。
横軸がIQで右にいくほど高くなります。

IQが100のところが山の頂点になっています。つまり最も人数が多いところです。
100を中心に左右にだんだん下がっていきます。

平均に近いIQをとる人が多く、
IQが極端に高い人や低い人はとても少ないということです。

 
 
 

IQにおける「平均の範囲内」

IQは、平均±標準偏差が「平均の範囲内」に該当します。

平均±標準偏差ですので、先ほどの例でいくと
100±15となります。
つまり85~115がごく平均的な値と解釈されます。

さらに見ていきます。IQは、
平均-標準偏差 =中の下
平均-(標準偏差×2) =知的障害のグレーゾーン
平均-(標準偏差×2)未満 =知的障害の可能性あり
と解釈されます。

ウェクスラー式に当てはめると、
100-15=85 =中の下
100-(15×2)=70 =知的障害のグレーゾーン
100-(15×2)未満=70未満 =知的障害の可能性あり
となります。
 
 
 

IQの平均範囲の具体例

以上を踏まえ、各種知能検査にあてはめてみます。

知能検査には平均と標準偏差という値があります。

IQの値のイメージは
平均+(標準偏差×2)以上:非常に高い
平均+(標準偏差)以上:高い
平均-標準偏差 ~ 平均+標準偏差 :中
平均-(標準偏差×2) ~ 平均-標準偏差 :知的障害のグレーゾーン
平均-(標準偏差×2)未満 :知的障害の可能性あり

でしたね。

ウェクスラー式(平均100、標準偏差15)にあてはめてみましょう。
130:非常に高い
115:高い
85 ~ 115 :中
70 ~ 85 :知的障害のグレーゾーン
70未満 :知的障害の可能性あり
となります。

平均と標準偏差は知能検査によって値が異なります。
しかし「平均±標準偏差」が平均の範囲と知っておけば、どの検査でも数値の意味がわかります。

たとえば田中ビネーという知能検査ですと平均100、標準偏差16です。

キャッテル式という検査ですと平均が100、標準偏差24です。

つまりこの3つは「平均±標準偏差」で考えると以下の通りです。
ウェクスラー:85~115
ビネー:84~116
キャッテル:76~124

平均と標準検査を確認してその人のIQを見れば、その人が全体のどの位置にいるのかがすぐにわかります。

ちなみにテレビでよく芸能人がIQ124ですごいみたいな番組があっていますね。
あれもウェクスラー式ならすごいですがキャッテル式の検査ならぜんぜんすごくないわけです。
 
 
 

データの分布

「平均±標準偏差」がIQにおけるおおむね平均の範囲です。

では平均の範囲の人は全体の何%くらいいるのでしょう?

68.2%の人が「平均±標準偏差」に該当します。

例えば平均100、標準偏差15であるウェクスラー式の場合、
68.2%の人がIQ85~115に該当します。
 
 

上図のようにIQ85~115は68.2%です。
さらにIQ70~130まで範囲を広げると全体の95.4%も占めます。

標準偏差に使われるこのような山型のデータの分布を正規分布といいます。
正規分布は山の頂点を中心に線対称になります。

IQ70未満は2.3%。
同様にIQ130以上も2.3%で明らかに少数派になります。

関連記事:知能指数(IQ)の分布~そのIQは全体の何割か?~
 
 
 

まとめ

人の能力というのは多面的で、簡単に把握はできないものです。

そして能力というものは相対的な面があります。

つまり「人と比べてどうか」ということです。

人と比べるばかりが人の価値の全てではありません。
しかし時として、人と比較することで物事を客観視できることもあります。

IQはデータのばらつきを見ることができます。

つまり、

IQは知能において自分が少数派にいるのか多数派にいるのかを客観視するのに役立ちます。

これは高いから嬉しい、低いから悲しいといったことではなくて、

「周囲より苦手なところはここだたら、こんなふうに工夫しよう」

「この子の得意なところはここだから、ここを伸ばしてあげよう」

といった建設的な取り組みを行うためにIQはあります。
 
 
 

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