発達障害コラム

「自閉症」と「発達障害」の違いは?~スペクトラムや知的障害の定義の範囲~

公開日:2019年3月26日

 
 

 
 
 

「自閉症」と「発達障害」の違いは?

「自閉症」と「発達障害」はどう違うのでしょう?

「自閉症」と「発達障害」は対立する名称というわけではなく、

ざっくりと言うと
「自閉症」は「発達障害」の種類の1つです。

 
 
 

「発達障害」とは?

「発達障害」という言葉もけっこう曖昧な言葉です。

狭い範囲で捉えると、
「自閉症」や「ADHD」など知的障害では説明ができない障害。
といったところでしょう。

障害児の支援を行う専門家の間でもこういったニュアンスで「発達障害」という言葉が使われることは多々あると思います。

一方で、
広い範囲で捉えると厳密には「発達障害」は「知的障害」も含みます。

ゆえに、広義には「発達障害」はダウン症や脳性麻痺も含みます。

このへんの違いはどこが定義するかによります。

行政的には先述の狭い定義が使われることが多いです。

 
 
 

「自閉症」とは?

「自閉症」とは主に言葉やコミュニケーション面の障害のことですね。

「自閉症」の症状にはいろいろ特徴がありますが、いずれにせよ知的障害とはことなった背景のものです。

ゆえに、
「自閉症」=「知的障害」ではありません。

この2つは合併することもありますが、「自閉症だから知的に障害がある」というわけではないのですね。

近年は「自閉症スペクトラム」という言葉が使われます。

スペクトラムというのは連続体という意味。

よく、「発達障害のグレーゾーン」という言葉がありますが、

自閉症をどこからが障害でどこからが個性と線を引くのは難しいものです。

大切なのは境界線を決めることではなく、広く捉えてその人に合った支援をすること。

そういった考えから「自閉症スペクトラム」という用語が普及しつつあります。

 
 
 

まとめ

発達障害に関する用語というのはなかなかややこしいです。

これの理由の1つは、定義する場所が1つではないからです。

発達障害関連の診断名や用語の定義は主にICDやDSMが使われます。

この2つは作成機関が異なるので、当然ながら定義がダブったりズレたりすることがあります。

なので「ICD的にはこう言うけどDSM的にはこう・・・」みたいな状態が発生します。

そのため、
「もうめんどくさくね?そんな名前にこだわるよりその子の自身のことを考えてあげたほうがよくね?」
みたいな話になってきます。

発達障害の専門家がわりと発達障害関連の診断名や用語をふわっとさせているのはそのためだったりします。

 
 
 

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参考資料

-発達障害コラム

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