構音の解説

「らりるれろ」(ラ行)の発音練習~必要な構音訓練と口腔機能~

公開日:2018年12月21日

 
 

 
 
 

「らりるれろ」(ラ行)の発音練習

「らりるれろ」、つまりラ行の発音がうまくできないお子さんはちょこちょこいますね。

幼い頃は稚拙な発音もかわいらしいものですが、
子供が成長するに従って発音の稚拙さが気になってくるのは親心というものでしょう。

発音練習は、口蓋裂や難聴など口や耳の外科的疾患がない、あるいは手術済みであることが前提となります。

また、知的障害や自閉症、その他の発達障害が合併している場合はこれらを配慮して行います。

以上を踏まえた上で、個人差はありますが
「らりるれろ」の発音練習は4歳半以降くらいから始めるのがいい時期とされます。

「らりるれろ」は舌先を丸める、いわゆる巻き舌っぽくする音です。
(厳密には、巻き舌ではないのですが。)

そのため
ラ行の発音練習においては舌先を反転させる運動が基礎となります。

その後は他の音の発音練習同様に段階を踏んで行っていきます。

つまり、
単発の音、単語、文章といった具合にステップアップしていきます。

あくまで段階を踏んで、1つずつの音を丁寧に、焦らず行っていきます。
 
 
 

「らりるれろ」(ラ行)の音の出し方と解説

先述の通り、
ラ行の音は舌先を反転させ、勢いよく舌先をはじいて出す音です。

専門的にはラ行の音は「有声歯茎はじき音(ゆうせいしけいはじきおん)」と言われます。

声帯の動きが伴い(有声)、歯ぐきと舌先で(歯茎)、勢いよく音を出す(はじき)、音です。

個人差はありますが、
ラ行の音はおおむね4歳6カ月以降に習得できる音です。

タ行やカ行など3歳前後に出る音もある日本語の子音において、
ラ行の音は後期に習得される比較的難しい音と考えることができます。
 
 
 

ラ行の発音練習の具体的な手順

以下、ラ行の発音練習の具体的な手順をみていきます。

ラ行に必要な口腔運動

舌先を反転させる練習をします。

具体的には、舌先をくるっと丸め、上の歯ぐきや上の歯の裏を舌先で触るようにします。
 
 

「ら」の単発の音の練習

口腔運動が安定したら、「ら」の音を実際に出してみます。
 
 

「ら」の単語の練習

「ら」のつく言葉で練習していきます。
 
 

「ら」の文章の練習

「ら」の単語が入った文章で応用練習です。
 
 

「ら」の早口言葉

「ら」の言葉を使った早口言葉で応用練習です。

早口言葉を言えるようになるというよりは、
早口言葉が言えるくらい「ら」の音を習得し、普段から「ら」の音が言えるような習慣化を目指します。

あくまで早口言葉は手段であって目的ではありません。
 
 

他の音の練習

「ら」以外と音を1つチョイスして、同じように練習していきます。
 
 

混合しての練習

「ら」の音と2つ目に練習した音を混合した文章で両方の音を保てるようにしましょう。
 
 

以下、他の音も。

以上の手順で3つ目、4つ目と練習していきます。
 
 
 

まとめ

専門的にはラ行の音は、
声帯の動きが伴い(有声)、歯ぐきと舌先で(歯茎)、勢いよく音を出す(はじき)、音です。

個人差はありますが、
ラ行の音はおおむね4歳6カ月以降に習得できる音です。

ラ行の発音練習は舌先を反転させる運動が基礎となり、その後は他の音の発音練習同様に段階を踏んで行っていきます。

また、発音練習は、口蓋裂や難聴など口や耳の外科的疾患がない、あるいは手術済みであることが前提となります。
 
 
最後になりますが、
幼児期というのは発音だけでなく、表現力や言葉の理解力も著しく成長する時期です。

発音ばかりを周囲が指摘すると、話すことが楽しくなくなってしまいます。

まずはその子ができる発音で、楽しくおしゃべりをして楽しく人とやりとりをする経験が大切です。

そのため、発音練習や指摘も「程よい塩梅で」という程度が重要でしょう。

子供の発音について気になるときは、一人で悩まず誰かに相談することも大切です。

相談先としては、例えば保育園や幼稚園、あるいは小児科のリハビリがある病院が候補に挙がるでしょう。
 
 
 

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参考資料

-構音の解説

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