1. テレビやDVDでは子供の言葉は増えない
乳幼児向けに作られた番組やDVDであっても、子供の言葉を増やす効果はないようです。
子育てのプロや学者、企業が作った幼児教育DVDは子供の良い言葉の刺激になりそうなイメージもありますね。
けれど実際は子供の語彙は増えるどころかDVDを全く観ていない子と比べてむしろ少なくなってしまいます。
2. DVDを観る時間が長い乳幼児ほど語彙が少ない
ワシントン大学の研究によると、
赤ちゃん用DVDを観る時間が長い乳幼児ほど、語彙が少ないそうです。
「テレビばかり見せるのは良くない」というのは多くの親御さんが思っていることでしょうが、研究してみてもやはりそうなのですね。
「子育て素人の自分が接するより、プロの人が語りかける幼児向けDVDを見せた方が子供の教育になる」と考える親御さんもいるかもしれませんが、それは正しいとは言い難いようです。
3. DVDの視聴とCDIの評価
国際的に使われている初期言語発達尺度にCDI(マッカーサー・コミュニケーション発達質問紙)という検査があります。
アメリカの100世帯の家庭にCDIを実施したところ、
赤ちゃん向けDVDを1日1時間視聴している乳幼児は、まったく視聴していない乳幼児に比べて知っている単語が6~8語少ないという傾向がありました。
例えばCDIにおいて生後11か月のお子さんの平均的な語彙は16語です。
このうち6~8語少ないということは全体の5割弱くらい語彙が少ないことを示唆しますね。
4. まとめ
例え上手な語り口、多様な言葉遣いであっても、テレビやDVDから流れる言葉だけでは子供の語彙は増えません。
実際に接し、語り合うことで子供の言葉は増えていきます。
「子育て素人の自分が接するより、プロの人が語りかける幼児向けDVDを見せた方が子供の教育になる」なんてことはなくて、
いつだって、親が子供にとって一番の言葉の先生です。
5. その他の記事
6. 参考資料
ポー・ブロンソン、アシュリー・メリーマン『間違いだらけの子育て』インターシフト、2011年