医療・福祉・療育コラム

【年齢別】幼児期の子供の会話の特徴 ~言語発達学より~

公開日:2018年7月13日

 
 

 
 
 

1. 子供の会話の質

子供の言葉の発達を見るポイントは、「語彙が増えるか」とか「どれだけ長い文章を話せるか」といったことだけではありません。

子供の言葉の発達を見る場合、会話の質にも着目する必要があります。

具体的には、
・過去や未来の話もできるか。
・知識や経験に基づいた表現ができるか。
・相手のことを考えて要約や調整ができるか。

といった類い。

以下、これらの年齢も踏まえて見ていきましょう。
 
 
 

2. 幼児期の会話の発達

2歳台は現前事象が中心のおしゃべりになります。
つまり「今、ここ」の話題を話すわけです。

2歳後半から3歳前半に非現前事象の話題を話せるようになってきます。
自分の経験に基づいた近い過去の話ができるわけです。

3歳後半から4歳では自分の知識や経験、相手と共有していることの話題に触れることができるようになります。

5~6歳頃になると初めて聞く物語を聞いてそれを踏まえた上での話ができるようになってきます。

このように、幼児期の会話能力は成長していきます。
 
 
 

3. 段階別にみた子供の会話の特徴

もう少し専門的に見ていきましょう。

無反応および現前事象の段階(~2歳前半)

ある程度の語彙はあるし、文を話したりはするものの、内容が「今、ここ」の話題に限られます。
過去の話や未来の話など「今、ここ」以外の話題をとらえるのが難しい。

また、わからないことに直面すると「わからない」とか「どういう意味?」といったわからないことを表明することが難しく、黙り込んでしまうといった無反応が見られる時期です。
 
 

自己経験・連想の段階(2歳後半~3歳前半)

初歩的な会話が見られる段階。
わかる質問には答える。わからない質問には「わからない」と答えるなど相手を意識した会話ができ始める時期。

ただし自分の経験の範囲内でしか答えないため会話が主観的。
例えば「ハサミはどうやって使うかな?」といった類の質問に、「シールが貼ってあってね、シールが貼ってあるほうをこう持って・・・」のように一般的な話ではなく自分の経験の中での話をします。

また、会話中に出てくる単語の一部から話題を連想して話が逸れる様子も見られます。
例えば「ハサミはどうやって使うかな?」といった質問に、「あ、ママがね、シール貼ってくれてね・・・」といった感じ。
 
 

意味ネットワーク(3歳後半~4歳)

「犬は動物だ」という文は、「犬」という言葉は「動物」に属することがわかっていないといけません。
このように意味ネットワークとは言葉と言葉の関係性がわかる状態です。

意味ネットワークが確率することで、言葉による質問に言葉で答えることがスムーズになり会話が成立しやすくなります。

また、話題の継続性が高まり、話が逸れることが減っていく時期です。
 
 

メタコミュニケーションの段階(5~6歳)

「認知することを認知すること」をメタ認知と言います。
例えば怒っているときに「ああ、今、自分は怒っているなあ」と客観的にわかるにはこのメタ認知が必要です。

メタコミュニケーションとは相手や場面を意識してコミュニケーションをとれることです。

メタコミュニケーションの段階に入ると話を要約したり文脈や場面に応じて会話内容を変えることができ始めます。

例えば同じ話題であっても、その経緯を知らない人には前置きの説明をしたり、逆にすでに互いで共有できている話題では前置きを端折ったりなど。
 
 
 

4. まとめ

言葉の発達というのは個人差があるため、年齢にとらわれずその子自身の成長に合わせた会話が大切です。

上述の発達段階を参考に、お子さんに合った会話ができるといいでしょう。
 
 
 

5. その他の記事

言語発達遅滞とは?

障害受容の段階説 ~子供の障害を受け入れるまでの過程~

ことばの教室とは?~誰がどんな目的で行くの?~
 
 
 

6. 参考資料

『質問一応答関係検査1』(J-STAGE)2018年6月20日検索

『質問一応答関係検査2』(J-STAGE)2018年6月20日検索

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