二語文と二語連鎖の違い
二語文と二語連鎖はほぼ同じ意味で使われており、両者に大きな違いはありません。
どちらも定義がやや曖昧なものの、おおむね文節数が2つに相当する文を指します。
また実際のイメージとしては、二語文のほうが一般的でそれゆえにより曖昧、二語連鎖のほうは専門的で堅いイメージがあるのではと思います。
解説
二語文・二語連鎖とは?
二語文・二語連鎖とは、「まま ねんね」などのような表現を指します。
定義を明確に示していない資料も少なくありませんが、おおむね二語文や二語連鎖は文節が2つの文章を指すことが多いです。
文節とは意味が維持される最小限に文を分割した単位です。
もう少し正確に言うと、文節とは「自立語」あるいは「自立語+付属語」を指します。
つまり付属語だけでは1つとして数えません。
このため、「まんま たべる」は二語文ですが、「まんまをたべたね」も二語文と言えます。
二語文・二語連鎖の時期
個人差はあるでしょうが、二語文・二語連鎖はおおむね1歳後半から2歳頃に見られます。
二語文・二語連鎖は言葉の発達における重要な指標の1つであり、また話し言葉であるため所見が得やすくわかりやすい観察項目でもあります。
二語文・二語連鎖の言葉のイメージ
冒頭で述べた通り、「二語文」のほうが健診など一般的な場面ではよく耳にする機会が多いのではないでしょうか。
「二語連鎖」のほうがより専門用語の印象を受けます。
実際の発達検査でも検査項目が「二語文」ではなく「二語連鎖」と表記されているものもあります(LCスケールなど)。
ただし、専門家の間で二語連鎖と言わず二語文と言うと恥ずかしいかというとそんなことはないのではと思います。
二語文と二語連鎖はそこまで使い分けされていない語句ではないかと考えます。
補足記事
参考資料
『言語理論を基盤とする言語獲得研究―二語発話段階から多語発話段階への移行について―』(日本音声言語医学会)2022年3月12日検索