子供には個性があって、子供の発達も十人十色です。
けれど周りの子と、自分の子を比べてしまうのは、それだけ子育てに一生懸命だからでしょう。
「全てにおいて平均的」という人はいません。
だから「普通」にとらわれすぎる必要はないでしょう。
けれど参考として、子供の発達を知ることは、その子自身を知ることにも役立つかもしれません。
今日は医学的に見た3歳児の発達を考えます。
3歳頃になるとずいぶんと会話が成立するようになってきます。
その背景にはどんな発達があるでしょう?
まず、短いですが文章を話すようになります。
一般に最も短い文章である2語文は2歳頃。
3歳になると2歳頃より流暢な文章を話せるようになってきます。
そして、子供自身が会話の続きを促します。
「それで?」「どうしたの?」と話の続きをせがむような様子が出てきます。
また、子供同士の会話が成立し始めるのもこの時期です。
一人のときも、本を読みながらしゃべったりといった様子もあるでしょう。
言葉数がずいぶんと増える時期ではありますが、
発音はまだまだ幼いのが3歳です。
「さしすせそ」など不完全な音はけっこうあるでしょう。
発音が未熟なのは3歳頃は不自然なことではありません。
個人差はありますが、「僕」「私」といった自分の名前ではない一人称の使用が出始める時期でもあります。
3歳頃で特徴的なのは色の理解。
赤、青、黄、緑といった基本となる原色の名前がわかるようになる時期です。
また、「大きい・小さい」といった形容詞もわかってきます。
ただし3歳頃は「大小」「長短」といった基本的な形容詞が少しわかるくらい。
まだまだレパートリーは少ない時期です。
「目」「頭」「口」など体の部分の名前もわかってきます。
「爪」「眉毛」など少し難しいものもわかるでしょう。
全体として10個以上の体の名前のレパートリーが入ってきます。
また、「目は物を見る」「耳は音を聞く」など
体の部位のごく簡単な機能もわかってきます。
3歳頃は、ずいぶんと相互性も出てくる時期です。
「順番」だったり「交代」がわかるようになってきます。
順番にカードを引いたり、積み木を重ねたり。
一緒に何かをすることが、理解できる時期です。
3歳はオムツの卒業も視野に入る時期です。
おしっこやうんちを、事前に教えてくれる様子が見られるでしょう。
おしっこなら、ひとりでトイレに行って済ませることもできるかもしれません。
一方で、オムツを卒業する練習で、ついついおねしょをしてしまうことも。
3歳というのは自分でできることが増えて親が楽になる一方で、
オムツをはずして夜寝てみたりと挑戦することが忙しくなる時期です。
3歳は文字に興味が出てくるかもしれません。
けれど、まだ読めるわけではないでしょう。
もしかしたら保育園の自分の下駄箱の名前を読めるかもしれません。
けれどそれは丸暗記に近いものかもしれません。
3歳は、少しずつ文字を認識し始める時期です。
けれど1文字1文字をしっかり理解するにはもう少し時間がかかる時期です。
そのため字を書くというよりは、たくさん好きな絵を描く時期でもあります。
絵を描く上での手先のコントロールが、先々の筆記能力につながります。
3歳頃だと1~10まで言うことができるかもしれません。
しかしこれは1~10までの数を扱えるというわけではありません。
数字を順番に言うことと、実際にその数字を使って個数を数えることは違います。
数字を言えるからといってその数の概念がわかっているとは限らないのです。
3歳頃は、1~10まで口で順番に言えるくらい。
3個前後の物を数えられるくらいです。
片足立ちができるかもしれません。
「よーい、どん!」でかけっこ遊びができるでしょう。
ボールを転がせば、キャッチしてくれるかもしれません。
鉛筆だけでなく、はさみやのりも扱う時期です。
折り紙で紙ヒコーキを作ろうとするかもしれません。
上手でなくて大丈夫。3歳頃はきれいに折れなくて当たり前。
作ろうとする姿勢が大切です。
3歳は、手先がそこまで器用ではありませんが、手先が器用ゆえにできる活動に挑戦しようとする時期なのです。
慣れたものであれば、洋服のボタンも自分でとめることができるかもしれません。
3歳という時期は子供が自分でできることが増え、子育てが楽になる時期です。
一方で、おねしょをしてしまう。
ふとした時にご飯をこぼす。
気がついたらはさみやのりが散らかっている。
いろんなことに挑戦するから、今までとは違った子育ての多忙さに追われる時期でもあります。
けれど、挑戦は成長につながります。
温かく見守ってあげましょう。
もちろん見守るってたいへんではあるのですが。
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