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ビッグファイブ理論とは?
「ビッグ・ファイブ理論」とは、人の性格の特徴を5つの要素のバランスで考える方法です。
5つの要素とは以下のようになっています。
- N:神経症的傾向(Neuroticism)
- E:外向性(Extraversion)
- O:開放性(Openness to Experience)
- C:誠実性(Conscientiousness)
- A:調和性(Agreeableness)
頭文字を並び変えると「OCEAN(海)」となっており語呂がいい点も印象的です。
「類型論」と「特性論」
心理学において人の性格を研究・分析しようと思ったとき、大きくは「類型論」と「特性論」という2つの考え方があります。
「類型論」とは、性格の種類をいくつかタイプ別の分けて、その人がどのタイプかを考える方法です。
「あなたは○○タイプ」とタイプ分けするわかりやすい方法と言えます。
「特性論」とは、性格に関わる要素をいくつか想定し、それらの要素がその人にどんな割合で構成されているかを考える方法です。
「あなたはA要素が5点、B要素が10点の傾向があります」ようにその人の性格を要素のバランスで見るような方式です。
「ビッグ・ファイブ理論」は「特性論」の最も有名な方法の1つです。
5因子モデルのそれぞれの特性
N:神経症的傾向(Neuroticism)
不安やイライラ、衝動性や傷つきやすさを表します。
精神的安定さを示す要素です。
E:外向性(Extraversion)
社交性や外交的な明るさを表す要素です。
O:開放性(Openness to Experience)
アイディアや創造性。
平たく言うと知的好奇心の程度です。
C:誠実性(Conscientiousness)
良心や慎重さ、秩序や目標達成のための勤勉さ。
要するに真面目さとも言えます。
A:調和性(Agreeableness)
利他的な姿勢や優しさ、信頼性や慎み深さ。
要するに協調性があるかどうかと言えるでしょう。
まとめ
その名の通り、5つの要素があるビッグ・ファイブ理論。
5つの要素はどれが高いほうがいい悪いというわけではなく、これらの要素のバランスで自分の傾向を捉えてみましょうという考え方です。
適材適所という言葉もある通り、人は自分を知り自分に適した方法論や環境を選択することで視野が広がります。
ビッグ・ファイブ理論はそんな自分を知るための方法の1つと言えるでしょう。
参考資料
ダニエル・ネトル(Daniel Nettle)(著)、竹内 和世(翻訳)『パーソナリティを科学する―特性5因子であなたがわかる』白揚社、2009年