9歳の壁とは?
9歳は小学校3年生前後に相当します。
「9歳の壁」とは、9歳頃になるとそれまでより学校の勉強についていけなくなる子が増える傾向のことです。
「9歳の壁」は俗語のようなもので、科学的にきちんとした定義があるわけではありません。
9歳の壁と子供の知能(IQ)
知的機能を見る目安に知能検査があります。
知能検査の結果を一般的にはIQ(知能指数)と言います。
補足記事:知能指数(IQ)とは? ざっくとイメージがわかる 簡単解説
幼い頃は、学習習慣が定着していなかったり、集中力がなかったりするものです。
幼い頃ほど、知能検査の結果は誤差が出やすいです。
同じ知能検査でも、とるタイミングによって結果が変わってしまうわけですね。
TOEICなど様々なテストを開発しているアメリカの機関、エデュケーショナル・テスティング・サービスに所属しているロナルド・ロック氏によると、
幼稚園の頃や小学校1年生ではまだ正確なIQが出にくいと述べています。
このことから氏は、
IQをより正確に出したいなら3年生、早くても2年生以降と述べています。
知能検査は人と比べるだけでなく、自分の苦手なところと得意なところの把握にも役立ちます。
そのため2年生以前に知能検査を実施する意味はないとまでは言いまませんが、いずれにせよ結果のブレは否定できないでしょう。
幼い頃はIQが高めに出たり低めに出たりしながら、歳を重ねる中でその振れ幅が減っていき、小学校3年生頃に安定してくるということがわかります。
9歳の壁と学校の勉強
このように、あくまで目安ですが9歳前後というのはIQの数値が安定してくる時期です。
一方で学校側のカリキュラムにもそれまでとは違った傾向が出てきます。
小学校低学年、つまり1,2年生という時期は、
保育園・幼稚園から小学校生活に慣れたり、
基本的な読み書きを勉強したり、
掛け算など基本的な計算を覚えたりと
集団生活と基本的な学習に慣れていくことに重きがおかれがちでした。
しかし小学校3年生以降になってくると1,2年生を踏まえた応用が少しずつ始まってきます。
まさに「学校で勉強」が本格始動するわけですね。
急に勉強が難しくなってくるわけです。
おわりに
以上のように、「9歳の壁」というのは科学的な根拠はなく、あくまで経験側でしかありません。
しかしながら、人間のIQが安定してきたり、学校の勉強が難しくなったりと無視できない側面もあります。
少なくとも言えることは、
1年生で勉強ができてるから大丈夫と楽観しないこと。
3年生で苦戦してるから、もう無理かもしれないと悲観しないこと。
いつでもお子さん自身を温かく見てあげることが必要です。
教育に関する研究によると、
親が子供の勉強を見てあげる家庭は子供の成績が良いそうです。
当たり前と言えば当たり前ですが。
塾に行かせたりすることも否定はしませんが、
子供は大好きなお母さん・お父さんが隣で褒めたり教えたりしてくれる環境で勉強をするのが一番嬉しいことを示唆していますね。