応用行動分析(ABA)と子供の接し方

応用行動分析(ABA)とは?|発達障害児の療育

公開日:2021年4月16日


 
 

応用行動分析(ABA)とは?

 ABA(応用行動分析)とは、その人のその行動を「増やしたり」「減らしたり」するには、どういうことを設定すればいいかと分析することです。

 精神論・根性論ではなく、人間の心理や認知力を配慮し自然と行動を促させる仕組みを考えます。

 ABAは「ちょっとした工夫」で生活をより心地良くできる可能性を秘めています。
 そのため誰にでも関わる・活用できる幅広い生活のテクニックであると言えます。

 一方で論理的に人の行動について考える側面、先述の「ちょっとした工夫」で生活を改善できる側面から、近年は教育現場や保育現場、発達障害児の療育現場などでもABAは活用されています。

 
 
 

ABAの解説

ABAの手法

 例えば、「貯金をするなら毎月初めに貯金する額を差し引きましょう。『月末に余った分を貯金する』では、ついつい使ってしまってお金は残りません」というのはよくある考え方です。

 これもABAの一例と言えます。

 つまり、「人はついついお金を使ってしまう」という心理を想定して「先に貯金額を差し引く」という方法論で人の意識の弱さをカバーしています。
 「頑張って貯金しましょう」という精神論・根性論ではないわけです。

 この場合、「先に貯金額を差し引く」という行動は「貯金をする」という行動を「増やす」働きかけであり、「散財する」という行動を「減らす」働きかけでもあります。

 このようにABAは、どんな環境設定・生活の流れを組むことでその人の特定の行動を「増やせるか」「減らせるか」を論理的に考えていきます。

 
 

子供の教育のおけるABA

 一昔前の根性論と異なり、現在は教育現場でも論理性や科学的根拠(エビデンス)が求められています。

 そういった時代背景もあり、教育現場でもABAは有意義な考え方と言えます。

 例えば近年、学校によっては授業中には鉛筆1本や消しゴム1個のみ机の上に出し、筆箱は机の中に入れておくように指導することがあります。

 これもABAと言えばABAです。

 筆箱を見えないところに収納することで、「ついつい筆箱で遊んでしまう」という誘惑をなくしています。

 こうして授業に集中できる子供達は、授業に集中することが習慣化していきます。

 ABAはうまく取り入れることでこうした成功体験を積み子供達の成長にとっていい循環を生み出していきます。

 きっかけとなる取り組みは些細なことですが、その積み重ねが大きな変化へつながる点もABAの特色だと思います。

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