大人のADHDへのアプローチ
ADHDへのアプローチは本人だけでなく家族支援も大切です。
そして成人のADHDの家族支援は親だけでなく(結婚していれば)配偶者の支援も重要となっていきます。
また大人になると就労に伴い仕事や職場での悩みも出てくるかもしれません。
このため本人への直接的なトレーニングというよりは、相談支援などのケースワークが重要になってくる傾向があります。
解説
本人へのアプローチ
認知行動療法(CBT)などのアプローチを行っていきます。
成人になると就労も大きな事柄となってきますので、心理療法だけでなく相談支援・ケースワークも重要なアプローチとなります。
家族支援
成人のADHDの家族支援は、親だけでなく(結婚しているなら)配偶者の支援も重要です。
ADHDの衝動性などの特性はしばしば配偶者とのトラブルを生み、それが離婚につながるケースがあります。
ADHDの理解を深めると共に、配偶者の困りごとや悩みを受け止め理解してあげる支援者の存在が必要かもしれません。
他機関との連携
大学や職場との意見交換も重要でしょう。
本人の申告だけでなく、専門機関の客観的な所見は職場などの理解を促すことに役立つかもしれません。
障害福祉担当者との意見交換・情報共有も有意義なものの1つでしょう。
薬物療法
上記のような本人・家族へのアプローチ、環境設定、各機関の連携を行った上でも状況改善が難しい場合に薬物療法を慎重に検討します。
薬物療法はADHDの特性自体に働きかける薬だけでなく、必要に応じて精神疾患などの二次障害に対応する薬も視野に入れます。
就労などの環境変化に伴い、薬物療法の新規開始や再開が選択肢に挙がる可能性もあります。
参考資料
『注意欠如・多動症 (ADHD) 特性の理解』(一般社団法人 日本心身医学会)2022年11月19日閲覧
『ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療』(厚生労働省「e-ヘルスネット)2022年11月19日閲覧