ADHD(注意欠如・多動症)

ADHDの幼児期へのアプローチ方法|注意欠如・多動症の療育

公開日:2023年2月15日


 
 

幼児期のADHDへのアプローチ

 幼児期のADHDへのアプローチは、薬物療法を行わず環境調整・心理社会的治療・他機関連携を行うことが一般的です。

 つまり薬の使用を早々に検討するのではなく、その子への療育的なはたらきかけや親や周囲への理解の促しを行います。

 
 
 

解説

本人へのアプローチ

 おおむね社会的相互性の技能を高めていきます。

 ソーシャルスキルトレーニング(SST)などにより、集団生活や他者と関わるスキルを学んでいきます。

 幼児期の場合は、ADHDという診断名がはっきりとついていない場合もあるかもしれません。

 しかし診断の有無ではなくその子の「不注意」や「多動性」や「衝動性」が実際にどの程度なのか見てあげることが大切です。
 そしてそれが日常生活や集団生活に好ましくない影響を過度に与えているならば、どのような声掛け・環境設定がいいか検討する意義はあるでしょう。

 
 

家族支援

 ペアレント・トレーニングなどを行い、ADHDについてやその子自身の特性について理解を深めていきます。

 特に幼児期の場合はADHDの特性である「多動性」や「衝動性」が、「子供だから」「(男児であれば)男の子だから」と見過ごされがちです。

 その子の特性が集団場面や日常生活にどのように影響しているか、そして今の対応・教示が適切か振り返っていきます。

 
 

他機関との連携

 専門機関と、保育園・幼稚園の意見交換は重要です。

 また、子供によってはADHDの特性(不注意や多動性・衝動性)から親が「育てにくさ」を感じ、虐待などに至る例もあります。

 そういった場合は母子保健担当部門や児童相談所(児相)などとの連携も必要です。

 さらに、親に精神疾患などが伴う場合は精神保健機関との連携も必要でしょう。

 
 
 

参考資料

『注意欠如・多動症 (ADHD) 特性の理解』(一般社団法人 日本心身医学会)2022年11月19日閲覧

『ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療』(厚生労働省「e-ヘルスネット)2022年11月19日閲覧

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