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ADHDの薬は何歳から?
ADHDの薬物療法は(必要があれば)学童期以降から行います。
つまりADHDに関する薬を飲むのは早くても小学生からで、一般的に幼児期に薬物療法は行いません。
(非常に重症例である場合は例外的に行うこともあります。ただしこの場合でも一般的には適用外であることを重々理解した上での使用となります)
解説
ADHDへのアプローチ
ADHDへのアプローチは環境調整や心理社会的治療などが優先されます。
心理社会的治療とは、ADHDの特性について本人や家族の理解を促したり、療育などによるアプローチを行うことです。
薬物療法は療育や支援などのアプローチを行ったあとに、それでも薬が必要な場合に行う選択肢です。
ADHDの薬の種類
日本心身医学会のADHDに関する論文より、ADHDの薬物療法には一般的にてメチルフェニデート徐放錠(OROS‒MPH)やアトモキセチン(atomoxetine)(ATX)などが用いられます。
効き目や副作用は個人差があるため、いずれの薬も段階的に慎重に使用していきます。
二次障害への薬
ADHDの薬物療法においては、必要に応じて二次障害に対する治療も検討します。
この場合は精神疾患に対する薬を併用することを検討していきます。
治療効果の見極めの重要性
その薬がその子にとって効果があるのかを見極めることは大切です。
特にADHDの薬物療法はその子の行動に対してはたらきかけを行うため、その薬が本当に効いているのか判断が難しいものです。
日々の生活の中で、その行動が薬による影響なのか別の要因(環境など)なのか見極め切り分ける必要があります。
そのためにはその子のことをよく知っている家族や教師や専門家など複数の人達での情報共有が必要でしょう。
また、ADHD評価スケール(ADHD-RS)による客観的な評価も有意義です。
ADHD-RSによる治療効果の評価
参考資料
『注意欠如・多動症 (ADHD) 特性の理解』(一般社団法人 日本心身医学会)2022年11月19日閲覧
『ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療』(厚生労働省「e-ヘルスネット)2022年11月19日閲覧