ADHDの発症と妊婦の生活習慣
子供のADHDの発症リスクを高める要因の中で比較的エビデンスが強いものとして、妊娠中の喫煙があります。
このため可能であれば妊娠中は禁煙を行うことが望ましいでしょう。
妊娠中の生活様式が子供に与える影響はエビデンスが強いものから弱いものまで様々ですが、いずれにせよ規則正しい健康的な生活を心がけることが最も無難と考えられます。
解説
ADHDのリスク
日本心身医学会のADHDに関する論文によると、冒頭で述べた通り妊娠中の喫煙はADHDのリスクを高めると考えられます。
この他にも(こちらは日常的ではないでしょうが)コカインの暴露もリスクを高めます。
母親のストレス
妊娠中の母親のストレスも、お腹の子供のADHDのリスクに影響すると考えられています。
どの程度のストレスがと言えば線引きは難しいでしょうが、ADHDのリスクに限らず妊娠中のストレスは好ましくないでしょう。
妊娠中は身体的にも精神的にも健康的な生活に努めることが大切です。
低出生体重児
周産期(妊娠22週から生後7日未満)については、低出生体重児もADHDのリスクを高めると考えられています。
研究によると低出生体重児はADHDの発現が2倍増加すると考えられています。
食生活
妊娠中の食事や生後の子供の食事とADHDの関係は完全に確立されたエビデンスは乏しい状況です。
生後の食事についてアレルギー体質や特定の食品に対する不耐性、人工食品添加物、鉛中毒のような神経毒、ω3脂肪酸や鉄などの摂取不足などを挙げている研究もありますが、エビデンスとしてはまだ様子を見たほうが無難かもしれません。
参考資料
『注意欠如・多動症 (ADHD) 特性の理解』(一般社団法人 日本心身医学会)2022年11月19日閲覧
『ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療』(厚生労働省「e-ヘルスネット)2022年11月19日閲覧