ADHD評価スケール
ADHD評価スケールは質問紙形式で親や教師が記入を行い、その内容からその子のADHDの傾向を客観的に評価できるツールです。
ADHD評価スケールは英語でそのまま「ADHD Rating Scale」であるため、頭文字から「ADHD-RS」とも呼ばれます。
以下、ADHD評価スケールの特徴を挙げていきます。
解説
目的
ADHD評価スケールはADHDのスクリーニング・診断・治療成績評価などに活用されます。
ちなみにここで言う診断とは、ADHD評価スケールで該当したから即ADHDと診断できるという意味ではありません。
ADHDの診断のおいて有用な情報の1つになりうるという意味です。
またADHD評価スケールは信頼性変動指数(Reliable Change Index=RCI)による分析も可能であるため、先述の通り治療成績評価(内服や各種アプローチによる効果測定)にも役立ちます。
DSM
ADHD評価スケールはDSMを踏まえた内容となっています。
DSMとはアメリカ精神医学会が発行し世界的に医療現場で用いられている精神疾患の診断・統計マニュアルのことです。
ADHDは他の発達障害と同様にいわゆる「目に見えない障害」であるため、信頼性・妥当性を幅広く調査しています。
リッカート尺度
ADHD評価スケールは「どちらでもない」を廃したリッカート尺度を採用しています。
「ない、もしくはほとんどない」
「しばしばある」
「ときどきある」
「非常にしばしばある」
の4つの中から答えていきます。
ADHD評価スケールは記入者は基本的に全ての質問に1~4のいずれかで答えてもらいます。
「わからない」や未記入は採点に含まず、3つ以上未記入の場合は解釈に細心の注意が必要となります。
質問の構成
ADHD評価スケールはADHDにおける不注意に関連する項目と、多動性-衝動性に関わる項目で構成されています。
奇数項目が不注意に関する項目であり、偶数項目が多動性-衝動性に関する項目となっています。
治療成績評価の方法
参考資料
『ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療』(厚生労働省「e-ヘルスネット)2022年11月19日閲覧