ストラテラとは?
ストラテラとは、ADHD(注意欠如・多動症)の薬物療法の際に用いられる薬の1つです。
ADHDに対する有効成分である「アトモキセチン(atomoxetine)(ATX)」を含んでおり、ストラテラはその販売名となります。
以下、日本心身医学会のADHDに関する論文を踏まえ、ストラテラについて見ていきます。
解説
ADHDの薬物療法
ADHDの薬物療法は一部例外を除いて基本的には6歳以上からが対象になります。
つまり幼児期に薬物療法を行うことは一般的ではありません。
また6歳以上であっても基本的には環境設定やソーシャルスキルトレーニングなど薬を使わないアプローチが先になります。
そういったアプローチを行ってもなお状況改善に難しさがある場合、薬物療法を慎重に検討します。
複数の薬を併用したり抗精神病薬や感情調整薬を併用するに至る場合もありますが、その過程は慎重に段階を踏んで行っていきます。
ADHDに限らず、薬の効果や副作用は個人差があるので、種類や量は医師と相談しながら慎重に見極めていくことが大切です。
ストラテラの概要
ストラテラはADHDの薬の中では副作用が少なく、けれど効き目も穏やかといった位置づけの薬ではないかと思います。(もちろん個人差はあります)
ストラテラは脳の実行機能に働きかけます。
実行機能とは、目的を達成するために自分をコントロールできる力のことです。
ADHDにおいてはしばしば実行機能不全が指摘され、ストラテラはこの点を改善することが狙いとなっています。
ADHDの他の薬で「コンサータ」というものがあります。
こちらは脳の報酬系と実行機能の両方に作用する一方で、依存リスクなど副作用が比較的大きい点があります。
ストラテラは報酬系への作用は期待できませんが、依存リスクが少ないという点が特徴的です。
ストラテラの効果や副作用は他にもあるので、以下に挙げていきます。
機序や作用
副作用
参考資料
『注意欠如・多動症 (ADHD) 特性の理解』(一般社団法人 日本心身医学会)2022年11月19日閲覧
『ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療』(厚生労働省「e-ヘルスネット)2022年11月19日閲覧