前のページ
大人のADHDへの対応方法
成人期のADHDの特性に対する対応としては以下のようなものが考えられます。
- 自分の特性を周囲に伝え理解してもらう
- 自分の特性を踏まえたやり方を知る
- そうやって社会との接点を持つ
大人になるとADHDの症状が外からは見えにくく、周囲から理解されにくくなる傾向があります。
一方で子供の頃と異なり、仕事などで「許容されないミス」をする経験が増えていきます。
このような中で、「なんで自分は周りと同じようにできないのだろう」という社会でミスをしてしまう自分に違和感を覚えるケースが少なくありません。
そしてこういった違和感が孤立感へとつながり、場合によっては失職や引きこもりに至るケースもあります。
自分の特性を周囲と自分が理解し、ストレスにならない形で「社会とのつながり方」を見つけることが大切と考えられます。
解説
心への影響
成人なると就職などにより、不注意によるミスが許容されない場面が増えていきます。
これにより、社会的な失敗がより自覚的になるため、内的な苦痛や違和感が高まっていく可能性があります。
こういったことを背景に失敗を恐れる気持ちや不安が強まったり、自信をなくしたり、気分が落ち込みやすくなるなどの弊害が考えられます。
考えられる二次障害
- 不安症
- 抑うつ障害
- アルコール依存
- 薬物乱用
内的苦痛や違和感は、場合によっては上記のような二次障害を引き起こす可能性があります。
引きこもりのリスク
中学・高校においてもADHDの特性による生きづらさで不登校・引きこもりのリスクはあります。
一方で成人では失職などを機に引きこもりが始まる可能性も否定できません。
これは仕事上でのストレスや違和感だけでなく、人によっては
不注意と併存する過集中により、ネット依存やギャンブル依存が社会からの孤立をより助長してしまう場合があります。
参考資料
『注意欠如・多動症 (ADHD) 特性の理解』(一般社団法人 日本心身医学会)2022年11月19日閲覧
『ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療』(厚生労働省「e-ヘルスネット)2022年11月19日閲覧