場面緘黙の発症年齢は?
場面緘黙は2~5歳頃の発症が比較的多いとされいます。
ただしそれ以前にも兆候が見られるケースも多い点、発症と診断の時間差が生じやすい点は押さえるべきポイントと言えます。
解説
場面緘黙の発症
場面緘黙の発症は2~5歳頃が比較的多く、これは保育園や幼稚園といったいわゆる「集団デビュー」の時期と重なっていると言えます。
場面緘黙は特定の場面で発話が困難になる疾患です。
このため「家庭」と「保育園」など複数の環境での生活が始まる時期に周囲が気づくことが多いです。
しかしながら、集団デビューの前から場面緘黙の兆候が見られる場合もあります。
例としては初めての場面で(不安が高まり)以下のような様子が見られる可能性があります。
- 親にしがみつく
- 大声で泣く
- 癇癪を起こす
- 無表情になる
- 動作が固まる
- 初めての場所や人を回避する
場面緘黙の診断・受診
発症から診断までの時間差が生じやすいのも、場面緘黙の子の支援の難しさの1つと言えます。
場面緘黙は先述の通りある特定の場面で発話が困難になる疾患です。
これは逆に言えば普通に話せる場面(家庭など)もあるということです。
このため「保育園などでは『おとなしい子』」・「家では普通に話せている子」と大人から評価されがちで、支援が遅れてしまうことが少なくありません。
場面緘黙の症例を比較的見ている小児科の調査によると、受診した者のうち82.6%は幼児期に場面緘黙を発症していますが、幼児期のうちに受診したのは37.9%だったそうです。
場面緘黙児は幼児期に発症しても受診・診断に至るのは小中学校の時期が多く、発症から診断(および支援の開始)までにタイムラグが見られます。
このため先述の場面緘黙の兆候や、集団デビュー後の子供の様子は丁寧に見てあげ、専門機関への相談は先延ばしにしないほうがいいでしょう。
場面緘黙の解説
参考資料
『場面緘黙(選択性緘黙)の多様性—その臨床と教育—』(日本不安症学会)2023年7月22日閲覧