暗算とは
一般的に「暗算(あんざん)」とは、(書いたり道具を使わずに)頭の中で計算することを指します。
そして教育現場、小学生の算数に関する場合、
暗算とは足し算・引き算については答えが20まで、掛け算・割り算については九九の範囲を指します。
暗算を自動化することは、小学生の算数において重要です。
解説
小さな数の計算と大きな数の計算
算数において計算は、「小さな数の計算」と「大きな数の計算」に分類される場合があります。
「小さな数の計算」とは「暗算」であり、先述の通り加減であれば答えが20、乗除であれば九九の範囲が該当します。
「大きな数の計算」は「筆算」であり、暗算よりも大きな数を扱う場合が該当します。
当然ながら筆算は暗算の力の上に成り立つため、暗算をスムーズにできるようになることは重要です。
暗算の自動化
暗算を自動化することは、計算スキルにおいて非常に重要です。
自動化とは、「式を見るだけで瞬時に答えを想起できるレベル」に達することです。
つまり答えが20までの足し算・引き算、そして九九は「見るだけで瞬時の答えを出せる」状態になることが基礎と言えます。
自動化と関連した言葉で「流暢性」という言葉があります。
流暢性とは「有能なパフォーマンスを特徴づけるような正確性と速さの組み合わせ」と定義されます。
つまり計算の習熟は答えを間違わないことだけでなく、ある程度のスピードも重要であることが示唆されています。
子供達の計算の上達を見る上では「正確性」と「流暢性」の2つの側面を見てあげることが重要です。
当然ながら計算スピードが速くても答えが間違っていては実用的ではありませんし、答えが合っていても著しく時間を要していれば同様です。
小学生の算数において暗算の「正確さ」と「スピード」をしっかりつけていくことは、基礎中の基礎でありそれからの学習に不可欠な土台となります。
参考資料
『九九学習で誤答率の高い九九の要因と特異数』(一般社団法人 日本LD学会)2021年12月16日閲覧
『算数障害を有する児童に対する九九の自動化のための学習支援』(上越教育大学)2021年12月16日閲覧
『通常の学級に在籍する児童への特別支援学校のセンター的機能を通したわり算指導に関する一考察』(一般社団法人 日本LD学会)2021年12月16日閲覧