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自閉症スペクトラム障害(ASD)の思春期の自己理解
「自分はどういう人間なのか」自覚できることは、アイデンティティを確立する上で重要な要素の1つでしょう。
このページでは、発達障害、特に自閉症スペクトラム障害(ASD)の人の思春期における自己理解の傾向を見ていきます。
日本発達心理学会の論文に、自閉症スペクトラム障害者の自己理解について調査・研究したものがあります。
定型発達の人と発達障害者を対象に、自己理解について答えてもらいその回答傾向を分析したものです。
この研究を参考に、自閉症スペクトラム障害者の自己理解の傾向を見ていきます。
はじめに自己理解の分析に際した考え方に触れ、その次に実際の自己理解の傾向を見ていきます。
自己理解の評価と分析
自己理解に関する質問
- 【自己定義】
「自分はどんな人だと思う?」 - 【自己評価】
「自分の長所、好きなところは?」
「自分の短所、嫌いなところは?」 - 【自己投影】
「現在の自分は、5年前と比べてどんなところが変わった?同じ?」
「5年後の自分は今の自分と比べてどんなところがどう変わっていると思う?同じ?」 - 【自己の関心】
「どんな人になりたい?」
自己理解を分析する上での質問の例として、上記のようなものが挙げられます。
これらについてどのような回答をするかで、その人の自己理解の傾向がうかがえるでしょう。
自己理解の分析には、次項にある自己理解の領域分類が有意義です。
自己理解の領域分類
対人性タイプ
発達障害者の自己理解の傾向
対人関係と自己理解
相互的対人性に対する定型とASDの違い
感情のとらえ方の違い
自己理解の材料と傾向
自己理解における人格特性の要素
外的所属と自己理解
こだわりと自己肯定感
対人関係の自信のなさ
情動への自己理解
自己理解の理由の曖昧さ
参考資料
滝吉美知香、田中真理(2011)『思春期・青年期の広汎性発達障害者における自己理解』(一般社団法人 日本発達心理学会)2024年9月14日閲覧