発達障害児の感覚過敏の具体例
発達障害あるいは自閉症スペクトラム障害(ASD)児・者は、しばしば感覚の過敏さを呈する場合があります。
例えば赤ちゃんの頃に触られることを嫌がったり身体の反り返りがあり、抱っこに苦労する場合などがあります。
以下、発達障害児の運動面の不器用さについて、事例も交えながら見ていきます。
解説
自閉症スペクトラム障害児の運動の不器用さ
脳の非進行性の機能障害が推定される発達障害児者は、体性感覚系の異常さを伴うケースがあり、これにより感覚の過敏さを呈する場合があります。
あるいは、発達性協調運動障害などを合併するケースが考えられます。
日本自閉症スペクトラム学会の論文に、自閉症スペクトラム障害児者の運動発達について調査したものがあります。
自閉症スペクトラム障害の子供を養育する保護者へのアンケート結果から、感覚の過敏さの事例をいくつか要約していきます。
不器用さの具体例
- 触られることを嫌がる。
- 赤ちゃんの頃、抱かれている感触を嫌がる。
- ミルクを飲むときに母親の顔ではなく天井の一点ばかり見ている。
- キラキラするものを過度に好み、見る。
- 頭を触られるのを嫌がる。洗髪や水をかけることに抵抗感が強い。
- 反り返りが激しい。寝るときに反り返って寝る。
- 体や首が反り返り、抱っこがしづらい。
- (触れられることが嫌なため)手をつなぐのを嫌がる。このため周囲の大人が子供を追いかけることが多い。
- 行ったことのない場所が嫌いで、拒否感を示す。
- 騒がしい場所が嫌いで、拒否感を示す。
- 辛い物を好む。
- 水遊びなどを過度に好む。
いずれもあくまで例であり、上記のような所見があれば必ず発達障害というわけではもちろんありません。
参考資料
是枝喜代治(2014)『ASD(Autistic Spectrum Disorder)児者の初期運動発達の偏りに関する研究 保護者へのアンケート調査を基に』(NPO法人 日本自閉症スペクトラム支援協会 日本自閉症スペクトラム学会)2024年12月21日閲覧