「神経質傾向」とは?
「神経質傾向」とは、人の性格を5つの要素で考える「ビッグファイブ理論」の要素の1つです。
神経質傾向は主にネガティブな情動に関わるパーソナリティ次元です。
解説
ビッグ・ファイブにおける神経質傾向の特徴
ビッグファイブとは、人の性格を5つの要素で考える理論のことです。
5つの性格因子は以下のようになっています。
- O:開放性(Openness to Experience)
- C:誠実性(Conscientiousness)
- E:外向性(Extraversion)
- A:調和性(Agreeableness)
- N:神経質傾向(Neuroticism)
神経質傾向は、怒りや不安といったネガティブな感情に関連します。
神経質傾向のスコアが高い場合、ストレスを受けやすく、心配性の傾向があります。
逆にスコアが低い場合、情緒的に安定し(同じストレスでも)ネガティブな情動が喚起されにくいです。
神経質傾向のメリット・デメリット
端的には神経質傾向はネガティブ思考に関わる因子と言えるでしょう。
同じ出来事、似たようなストレスでも神経質傾向が高い人はより強く心理的な負担を感じます。
神経質傾向のスコアの高さと鬱病などの疾患は関連があると考えられています。
ここまで見ると神経質傾向はなんとも厄介な、高くないほうがいい気質に思えるかもしれません。
しかしながら、神経質傾向が低ければ低いほどいいかと言えばそうでもありません。
神経質傾向は別の見方をすると、不安や危険から身を守ろうとする生存本能です。
低すぎる神経質傾向はこういった注意喚起を見逃し、危険な行動や反社会的な行動を防ぐ心のブレーキが弱まってしまう可能性も考えられます。
ビッグ・ファイブ理論とは?
参考資料
ダニエル・ネトル(Daniel Nettle)(著)、竹内 和世(翻訳)『パーソナリティを科学する―特性5因子であなたがわかる』白揚社、2009年