「調和性」とは?
「調和性」とは、人の性格を5つの要素で考える「ビッグファイブ理論」の要素の1つです。
調和性は主に他者との協調に関わるパーソナリティ次元です。
解説
ビッグ・ファイブにおける調和性の特徴
ビッグファイブとは、人の性格を5つの要素で考える理論のことです。
5つの性格因子は以下のようになっています。
- O:開放性(Openness to Experience)
- C:誠実性(Conscientiousness)
- E:外向性(Extraversion)
- A:調和性(Agreeableness)
- N:神経質傾向(Neuroticism)
調和性は、人を信用したり利他的な行動に充実感を感じたり、他者との対立を避けるような傾向に関連します。
調和性のスコアが高い場合、人を信頼したり共感できる力が高い傾向にあります。
逆にスコアが低い場合、他者に対して非協力的、あるいは敵対するような言動が目立つ可能性があります。
調和性のメリット・デメリット
このように調和性は他者と協調し利他的な行動を促します。
より良い人間関係を築くには他人の気持ちを理解しようとできることは大切です。
人の気持ちを考える場合、そういった心の機微を理解する力とそれに共感する力が求められます。
調和性は特にこの「共感」に関わります。
調和性のスコアが高い人は他者の気持ちに共感できる、つまり寄り添える言動がうかがえるでしょう。
一方で高すぎる調和性は仕事の成果を上げる際はマイナスに働く可能性もあります。
一見、調和性が高いと周囲とコミュニケーションが取れ仕事がうまくいく印象を受けます。
しかしながら(特に管理職などは)仕事は時として力強く意思決定を行い物事を推し進める力が必要です。
このような場合、高すぎる調和性は足かせになってしまいます。
ビッグ・ファイブ理論とは?
参考資料
ダニエル・ネトル(Daniel Nettle)(著)、竹内 和世(翻訳)『パーソナリティを科学する―特性5因子であなたがわかる』白揚社、2009年