哺乳反射とは?
哺乳反射とは、乳児に見られる哺乳に関する原始反射です。
哺乳に関する反射は複数の種類があり、これらをまとめて哺乳反射と呼ぶことが多いです。
哺乳反射は乳児期の哺乳に関して重要な反射ですが、食べ物を食べていく離乳の時期に入ると妨げとなっていきます。
厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」によると、
哺乳反射は生後5~7か月頃に消失していくと考えられています。
以下、哺乳反射の種類を挙げていきます。
哺乳反射の種類
探索反射
追いかけ反射、口唇探索反射とも呼ばれます。
頬や唇を刺激すると、刺激を受けたほうに顔を向ける反射です。
文字通り、授乳の際に乳児が乳首を探索するための反射です。
口唇反射(捕捉反射)
単に口唇反射と呼ぶこともあれば、「捕捉(ほそく)反射」「口唇捕捉反射」と呼ばれることもあります。
近づいた乳首を唇と舌を使って捕捉しようとする反射です。
口唇探索反射と口唇捕捉反射は似ていますが、
探索反射で乳首の位置を探し、捕捉反射で乳首を口腔内に捉えます。
吸啜反射
口唇の中に乳首が入ると、乳首を吸う、つまり吸啜運動を行う反射です。
先述の反射と合わせると、
「探索反射」で乳首の位置を探し、「捕捉反射」で乳首を口の中に捉え、「吸啜反射」で実際に哺乳します。
このように哺乳反射は哺乳に必要な一連の動きをそれぞれ担っています。
舌挺出反射(ぜつていしゅつはんしゃ)
「舌突出反射」と呼ばれることもあります。
固形物が口に入ると、舌を出して固形物を口の外に出そうとする反射です。
舌挺出反射は固形物をまだ食べない乳児にとっては命を守る大切な反射ですが、離乳食が始まり固形物を食べる頃には妨げになる反射です。
舌挺出反射をはじめ、哺乳反射の消失は離乳食開始の目安の1つです。
参考資料
『授乳・離乳の支援ガイド(2019)』(厚生労働省)2020年2月25日検索
『小児歯科学 第3版』(dbcシエン社)2021年9月4日検索