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3層から構成される知能
知能がどのような要素で構成されるかは諸説あります。
このうちの1つが心理学者のジョン・ビッセル・キャロル(John Bissell Carroll)氏が提唱した知能を3層で考える理論です。
この説によると知能は
- 第1層:小群因子
- 第2層:大群因子
- 第3層:一般知能因子
で構成されると考えられています。
解説
3層の知能
第1層:小群因子
小群因子は個別の課題を進めることに特化した能力を指します。
第2層:大群因子
大群因子の分類は様々ありますが、「結晶性知能(Gc)」と「流動性知能(Gf)」で分類することが多いです。
知能を結晶性知能と流動性知能という観点で捉えるのは、レイモンド・キャッテル(Raymond Cattell)氏の考えと共通する部分があります。
第3層:一般知能因子
一般知能因子はあらゆる課題に共通する能力と位置付けられ、g因子と言われています。
このg因子はチャールズ・エドワード・スピアマン(Charles Edward Spearman)氏と共通するものがあります。
Carroll氏の理論の位置づけ
このようにキャロル氏の理論は全く新しい説というわけではなく、キャッテル氏やスピアマン氏など他の理論と通ずる・あるいは補完する説と言えます。
キャッテルの結晶性知能と流動性知能
スピアマンの2因子説とは?
参考資料
『実行機能の初期発達,脳内機構およびその支援』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索
『ワーキングメモリトレーニングと流動性知能』(日本心理学会)2022年8月6日検索
『発達障害のある児童のワーキングメモリは改善できるのか–広汎性発達障害のある児童を対象とした試み』(東北福祉大学機関リポジトリ)2022年8月6日検索
『Training of Working Memory in Children with ADHD』(ResearchGate)2022年8月6日検索
『前頭前野とワーキングメモリ』(日本高次脳機能障害学会)2022年8月6日閲覧