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カテゴリーの教え方
前回までのページで、以下の点について述べてきました。
- なぜ子供(幼児)はカテゴリー理解が難しいのか
- 子供はどのような段階を経てカテゴリーを理解していくのか
そしてここからは、上記を踏まえ
子供にカテゴリーを教えるにはどうしたらいいかを考えていきます。
解説
カテゴリーの二重性の回避
まずは「犬は『犬』でもあるし『動物』でもあるんだよ」ということを言葉にして実際に教えてあげます。
シンプルですが大切なことです。
なぜなら前回のページで取り上げたように、子供は言葉を理解する上で相互排他性を持っているからです。
「犬」という言葉を理解する上で、「犬は猫ではない」と認識できることは重要です。
そうでなければ複数の言葉を使い分けることはできません。
しかしこの認識が、「これが『犬』であれば、『動物』という別の名称がつくわけがない」という無意識につながってしまいます。
子供がカテゴリーを理解し、より幅広い言語力を持つためには、相互排他性を超えていく必要があります。
このため(大人にとっては当たり前でしょうが)「犬は『犬』でもあるし『動物』でもあるんだよ」ということを丁寧に教えてあげます。
基礎カテゴリー(この場合は「犬」)と上位カテゴリー(この場合は「動物」)が併存することを指導します。
上位カテゴリー化の促進
上位カテゴリーの特徴抽出を促してあげます。
つまり「動物」というカテゴリーの特徴を示してあげます。
促し方には大きく2種類あります。
1つ目は、その上位カテゴリーの特徴を強調する方法です。
例えば「走っている犬の絵」や「エサを食べている犬の絵」を提示・説明し、より「動物的な」犬をイメージしてもらいます。
2つ目は、同じ上位カテゴリーの別の事例を挙げる方法です。
例えば「犬」と一緒に「ライオン」や「猫」を提示し、これらが「動物」であることを教えます。
次に、幼児のカテゴリー理解の事例を挙げていきます。
カテゴリーの教え方の具体例と傾向
参考資料
『SITUATED UNDERSTANDING OF HIERARCHICAL CATEGORIES AMONG PRESCHOOL CHILDREN(幼児による階層的カテゴリーの状況的理解)』(日本教育心理学会)2023年5月29日閲覧