幼児期のカテゴリー理解が難しい理由
幼い子はカテゴリーの理解が難しい場合があります。
(例えば目の前の絵が「犬」でもあり「動物」でもあるということを理解すること)
幼児がカテゴリーの理解が困難である理由は例えば2つ考えられます。
- 相互排他性の原理
- 上位カテゴリーの特徴抽出の困難さ
以下、それぞれ見ていきます。
解説
相互排他性の原理
相互排他性とは、1つの物には1つの名称しかないと無意識に思うことです。
目の前のものが「犬」であると学ぶと、それが「動物でもある」という視点が抜けてしまいます。
幼い子供がカテゴリーの理解に難しさを感じる背景の1つと考えられます。
「犬」や「猫」といった基礎カテゴリーは事物の認識や言葉の理解において重要です。
言わずもがな、「犬は猫ではない」し、「猫は犬ではない」ということがわからなければ、言葉や概念を使い分けることはできません。
しかしながらこの基礎カテゴリーにおける区別が、「犬は動物でもある」という上位カテゴリーとの関係を理解しにくくしていると考えられます。
上位カテゴリーの特徴抽出の困難さ
上位カテゴリーの特徴抽出が難しいということは、上位カテゴリーは共通点を見つけにくいということです。
「上位カテゴリー」とは文字通りカテゴリーにおいて上位に位置する概念です。
「犬」に対して「動物」、「果物」に対して「食べ物」などは上位カテゴリーになります。
上位カテゴリーはそうでないカテゴリーと比べると、共通点が抽象的です。
例えば柴犬とチワワはどちらも「犬」です。
そして犬とクジラはどちらも「動物」です。
大人でも「『犬』である柴犬とチワワの共通点」よりも、「『動物』である犬とクジラの共通点」を述べるほうが難しいのではないでしょうか。
以上を踏まえ、子供のカテゴリーの理解の発達過程・段階を見ていきます。
子供のカテゴリー理解の発達過程
参考資料
『SITUATED UNDERSTANDING OF HIERARCHICAL CATEGORIES AMONG PRESCHOOL CHILDREN(幼児による階層的カテゴリーの状況的理解)』(日本教育心理学会)2023年5月29日閲覧