ワーキングメモリ

複合スパン課題とは?|ワーキングメモリの評価

公開日:2022年8月16日


 
 

複合スパン課題とは?

 複合スパン課題(complex span task)とは、ワーキングメモリを評価する方法の1つです。

 保持と処理を同時に課し、ワーキングメモリの力を見ます。

 複合スパン課題の代表的なものとしてはリーディングスパン課題オペレーションスパン課題などがあります。

 
 
 

解説

ワーキングメモリとは?

 ワーキングメモリとは、情報を一時的に保持しながら操作を加える認知機能のことです。

 保持した情報をもとに「操作を加える」という点がワーキングメモリの特徴であり、短期記憶と異なった概念と言えます。

 ワーキングメモリは知能得点と関連があり、このためワーキングメモリの評価はその人の知的機能の評価において重要な要素の1つと考えらています。

 
 

複合スパン課題の意義

 ワーキングメモリを測るテスト課題は多数あり、その中でも比較的有名なものが複合スパン課題です。

 複合スパン課題はワーキングメモリのトレーニングとして用いられることは少ないですが、評価としてはよく使われる課題です。

 複合スパン課題は文字や単語など任意の情報を覚えておいてもらいながら、何らかの別の作業を行ってもらい、あとで覚えておいたものを回答してもらう方式をとります。

 例えば複合スパン課題の種類の1つであるオペレーションスパン課題は、任意の文字を覚えておいてもらいながら、簡単な四則演算をこなしてもらいます。

 
 
 

複合スパン課題の種類

リーディングスパン課題

 
 

オペレーションスパン課題

 
 
 

参考資料

『実行機能の初期発達,脳内機構およびその支援』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索

『ワーキングメモリトレーニングと流動性知能』(日本心理学会)2022年8月6日検索

『発達障害のある児童のワーキングメモリは改善できるのか–広汎性発達障害のある児童を対象とした試み』(東北福祉大学機関リポジトリ)2022年8月6日検索

『Training of Working Memory in Children with ADHD』(ResearchGate)2022年8月6日検索

『前頭前野とワーキングメモリ』(日本高次脳機能障害学会)2022年8月6日閲覧

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