クレーン現象は何歳から?
クレーン現象は8~12か月頃、あるいは1~2歳頃に見られるのが一般的な傾向として考えられます。
一般的にクレーン現象は発達障害を連想させる言葉の1つと思いますが、健常児においてもクレーン現象は一過性に見られる場合があります。
そして言葉やコミュニケーションの発達に伴い、クレーン現象は3歳頃に消失するのが一般的です。
解説
クレーン現象とは?
「クレーン現象」とは、他者の手を道具のように使って自分の要求を達成する行為です。
クレーン現象は「クレーン行動」と表現されることもありますが、いずれにせよ同一の現象を指します。
他者とコミュニケーションをとった上で援助を求めるのではなく、目的を達成するために道具的に他者の身体を使うのが特徴です。
健常児におけるクレーン現象
8~12か月頃、あるいは1~2歳頃にクレーン現象が一過性に見られる場合があります。
これらは2歳を過ぎると急速に減少し、3歳以降はほとんど見られなくなります。
この背景は言語やコミュニケーションの発達が関係しており、指差しや文章での表現が確立してくると減少してくのが一般的です。
発達障害児におけるクレーン現象
クレーン現象は他者に助けを求める「意図的な伝達行動」というよりは、他者を道具的に用いる「意図的な操作行動」の側面があります。
そして発達障害児においてはこの側面が特に強い場合があります。
具体的にはクレーンを行っている際に相手の顔を見たり視線を合わせるのではなく、手や対象物を見ている。
あるいは、欲求が達成されるまで(相手に意図は伝わっているのに)手を引っ張り続けるなどです。
これらが発達障害児にしか見られないというわけではありませんが、健常児と比べると強い傾向があります。
参考資料
『発達障害児の「クレーン行動」に関する一考察 : 文献の展望と行動の観察例から』(一般社団法人 日本特殊教育学会)2021年9月15日検索