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思春期や妊娠、ボディイメージに関する12~15歳の性教育
自身の外見い対する認識を学ぶことも、性教育の一環です。
12~15歳を対象にした性教育では、
思春期の特性や望まない妊娠を回避する方法、外見を変えるための好ましくない行為(健康を害する過度なダイエットなど)について学びます。
性教育のエビデンス(科学的根拠)
国際的な流れとして、性教育は性行為に関する知識だけでなく、ジェンダー平等や性の多様性といった人権尊重を基盤にしたものが主流となりつつあります。
このような性教育を「包括的性教育」と言い、このガイドラインとしてユネスコによる「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」があります。
上記を参考に、12~15歳を対象にした(人権尊重を含む)性教育について考えます。
学習の要点
解剖学と生理学的見地から
- 胎児の性別は染色体によって決定し、決定する時期は妊娠初期であることを学ぶ
- ホルモンは成長・発達・生殖器官と性機能を調節するための役割を果たしていることを学ぶ
- セックス・ ジェンダー・生殖に関して、生物学的側面と社会的側面をそれぞれ学ぶ
- 文化や宗教が、どのようにセックス・ジェンダー・生殖に対する社会の見方に影響しているかを知る
- セックス・ジェンダー・生殖に対する自らの観点について振り返る
生殖について
- 妊娠は計画的にすることも、防ぐこともできると再認識する
- 生殖機能と性的感情には違いがあることを理解する
- 男性も女性も、性と生殖に関する機能や欲求は人生の中で変化することを再認識する
- 意図しない妊娠を今後どう防ぐかについて学ぶ
前期思春期について
- 前期思春期は人によって異なる時期に現れるもので、その影響は男女で違うことを知る
- 思春期の間に起こるさまざまなタイプの変化の例を知る(身体面、感情面、社会面、認知面など)
- ジェンダーアイデンティティが一般的ジェンダー規範に当てはまらない・当てはめられないケース、トランスジェンダー、インターセックスなどの子供にとっての前期思春期について考える
- 身体的、感情的、社会的、認知的な変化は思春期おいて一般的なことであることを認識する
- 前期思春期に起こる変化を理由に他者をからかったり、辱めたり、スティグマを与えることは相手を強く傷つけることであり、長期的に精神的な影響を与える可能性があることを認識する
- 思春期の自身の変化にどのように対応していくかを学び考える
一般的に思春期とは小学校高学年から高校生頃の時期を指します。
その中で中学生前半までを前期思春期前期、それ以後を後期思春期と呼びます。
ボディイメージについて
- 自分の身体についてプラスの感情をもつことの利点を学ぶ
- 外見が他者の印象・行動にどう影響を与えるかを学ぶ。またそれが男女でどう異なるのかを知る
- 自分の見た目を変えるために、一般的にされている方法(ダイエット薬、ステロイド、脱色クリームなど)を知り、これらの危険性は考察する
- ボディイメージに関連した、様々な疾患(不安障害、拒食や過食のような摂食障害など)を知る
- 自分のボディイメージを変えるために、薬物を使用することは有害にであることを学ぶ
- ボディイメージに関して苦しんでいる人をサポートするサービスや場所を知る
包括的性教育について
参考資料
『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』(UNESCO)2021年5月2日検索
『HIV/AIDSについて(ファクトシート)』(厚生労働省検疫所)2021年12月18日検索
『PrEPって?』(国立国際医療研究センター SH外来)2021年12月18日検索
『抗HIV薬の曝露後予防内服(PEP)』(国立研究開発法人国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター)2021年12月18日検索