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いじめや虐待に関する5~8歳の性教育
性教育においては性の生物学的な知識だけでなく、いじめや虐待、性的被害から身を守るリスク管理を学ぶことも大切です。
5~8歳児を対象にした性教育においては、誰もが自分の身体に誰が・どこに・どのように触れることができるのかを決める「からだの権利」について学ぶことが大切です。
性教育のエビデンス(科学的根拠)
国際的な流れとして、性教育は性行為に関する知識だけでなく、ジェンダー平等や性の多様性といった人権尊重を基盤にしたものが主流となりつつあります。
このような性教育を「包括的性教育」と言い、このガイドラインとしてユネスコによる「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」があります。
包括的性教育は人権尊重を基盤にしているため、いじめや暴力、性的搾取から自分の身を守ることの大切さが随所に取り扱われています。
学習の要点
いじめはいけないことの再認識
- からかいや暴力、いじめとは何かを再認識する
- いじめや暴力はたとえ大人や家族からであっても間違っていることを再認識する
虐待について
- 性的暴力や、ネット上での子供に対する性的搾取も虐待であることを再確認する
- たとえ信頼する人や家族からであっても、虐待は子供の権利侵害であり被害者は決して悪くないことを再確認する
- 虐待をされようとしたときに、自分がとれる行動(拒否や逃げる、周囲の大人に助けを求めるなど)を学ぶ
- 虐待を受けた場合に、それを誰にどのように伝えればいいかを学ぶ
DV(ドメスティック・バイオレンス)について
- 家族や恋人の間で起こる様々な暴力(身体的、言葉によるもの、物事の強制など)について知る
- 家族や恋人間であっても暴力は間違っていることを再認識する
- DVに直面した際の周囲への助けの求め方を学ぶ
からだの権利について
- 誰もが自分の身体に誰が、どこに、どのように触れることができるのかを決める「からだの権利」を持っている
- 身体のどこがプライベートな部分か学ぶ
- 自分が不快だと思う触られ方をしたときの、拒否の仕方や助けの求め方を学ぶ
インターネットやソーシャルメディアについて
- インターネットやソーシャルメディアの良い点と悪い点を知る
- インターネットやソーシャルメディアで自分が不快に思うことや怖いと感じることをしてしまったり、見てしまったりした場合の対応や助けの求め方を知る
包括的性教育について
参考資料
『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』(UNESCO)2021年5月2日検索
『HIV/AIDSについて(ファクトシート)』(厚生労働省検疫所)2021年12月18日検索
『PrEPって?』(国立国際医療研究センター SH外来)2021年12月18日検索
『抗HIV薬の曝露後予防内服(PEP)』(国立研究開発法人国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター)2021年12月18日検索