包括的セクシュアリティ教育(CSE)とは?
包括的性教育とは、性行為に関する知識だけでなく、ジェンダー平等や性の多様性といった人権尊重を基盤にした性教育のことです。
「包括的性教育」「包括的セクシュアリティ教育」など呼び方はいくつかありますがいずれも同一のものです。
Comprehensive Sexuality Educationの頭文字を取って「CSE」と表記されることもあります。
性教育のカリキュラムとして国際的に用いられているのが括的性教育です。
包括的性教育の内容は、ユネスコによる「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」で閲覧することができます。
しかし国際セクシュアリティ教育ガイダンスは300ページ近い内容になっておりざっと目を通すには難しい情報量となっています。
そのため以下、「包括的性教育」の概要を挙げて解説していきます。
包括的性教育の方針
- 科学的に正確であること(エビデンスに基づく)
- 徐々に進展すること(急に始めるのではなく年齢や時期に応じて徐々に始める)
- 年齢・成長に即していること(年齢や時期に応じたカリキュラム)
- カリキュラムベースであること
- 包括的であること
- 人権的アプローチに基づいていること
- ジェンダー平等を基盤にしていること
- 文化的関係と状況に適応させること
- 変化をもたらすこと(自分を大切にし他者を尊重できる考えやスキルを獲得していく)
- 健康的な選択のためのライフスキルを発達させること
包括的性教育は科学的根拠に基づき、性や人権など幅広い概念を取り扱います。
これらは年齢の応じて徐々に始めていきます。
包括的性教育は性や人権などの学びを通して最終的に幸福に生きることについて考えます。
包括的性教育で学ぶ項目
- 人間関係
- 価値観、人権、文化、セクシュアリティ
- ジェンダーの理解
- 暴力と安全確保
- 健康とウェルビーイング(幸福)のためのスキル
- 人間の身体と発達
- セクシュアリティと性的行動
- 性と生殖に関する健康
包括的性教育では上記のようなテーマを学習します。
日本の性教育は遅れていると言われますが、従来の保健体育で習う性教育と言えば「人間の身体と発達」「性と生殖に関する健康」の一部と言ったイメージではないでしょうか。
包括的性教育は上項目のような幅広い分野を取り扱います。
補足記事
参考資料
『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』(UNESCO)2021年5月2日検索