男性と女性の性格の違い
女性は男性と比べると性格因子における調和性のスコアが高い傾向にあります。
これはパーソナリティに関する男女間の違いの中で最も確かなもののひとつになります。
解説
調和性とは?
性格分析において、5つの因子で人の性格を考える理論をビッグファイブと言います。
- N:神経質傾向(Neuroticism)
- E:外向性(Extraversion)
- O:開放性(Openness to Experience)
- C:誠実性(Conscientiousness)
- A:調和性(Agreeableness)
ビックファイブにおいて人の性格因子は上記のような5つになります。
このうち調和性は、人を信用したり利他的な行動に充実感を感じたり、他者との対立を避けるような傾向に関連します。
良い社会関係を築くには調和性は大切な性格因子と言えます。
男女で異なる調和性
平均して女性の調和性は男性よりも高く、その差は標準偏差の半分以上にもなります。
つまり平均的な男性が取る調和性のスコアは、女性全体の7割よりも低いことを意味します。
この理由については諸説ありますが、有力なものとして生物学に根差した考えがあります。
つまり人類の歴史上、狩に向かう男性は調和性よりも個の力を発揮することが重んじられ、逆にコミュニティの中で人間関係を築き子供を育てていた女性は調和性が重要な要素であったということです。
心理学者のシェリー・テイラーは、脅威に対する「闘争もしくは逃走(ファイト・オア・フライト)」はオス特有の反応だとまで言っています。
男女差別と言う意味ではなく、人類の進化の中で男女の置かれた環境は異なりその中で正確の傾向も各々の環境で最適化されたと言えるでしょう。
ビッグ・ファイブ理論とは?
参考資料
ダニエル・ネトル(Daniel Nettle)(著)、竹内 和世(翻訳)『パーソナリティを科学する―特性5因子であなたがわかる』白揚社、2009年