DCCS課題とは?
DCCS課題とは、実行機能に関して主に子供に対して行うことが多い課題の1つです。
DCCS課題のDCCSは、「Dimensional Change Card Sort」の頭文字を取ったものです。
直訳すると「次元を替えてカードを並び替える」といった訳が考えられ、文字通り絵カードを扱う際に視点を変えられるかを見る課題です。
解説
DCCS課題の内容
DCCS課題は、同じ絵カードを複数の視点で分類できるかを見ます。
例えば「赤い車」「青い車」「赤い傘」「青い傘」といった絵カードがあるとします。
これを「赤か青か」で分類したあと、「車か傘か」でも分類できるかを見ます。
個人差はあるでしょうが、DCCS課題はおおむね5歳頃には安定して正答することが可能になると考えられています。
DCCS課題の手順
日本発達障害支援システム学会の論文を参考に、DCCS課題の具体的な手順を整理していきたいと思います。
DCCS課題はまず「色」「物」など2つの要素が入った絵カードを用意します。
これらの組み合わせを網羅すると「赤い車」「青い車」「赤い傘」「青い傘」のように4種類になると思います。
それぞれ2枚ずつ準備し、計8枚の絵カードにて行っています。
まず、どれか1枚カードを見せて、「どんなカードですか?」と子供に聞きます。
そして「赤い車」など2つの要素を含んだ表現を確認します。
このとき「車」など1つの要素しか言わない場合は「他にはどう言うかな?」「何色かな?」など確認します。
こうしてカードの要素を共有した後に、実際に分類を行います。
2つの箱を机上に置き、「色で分けるゲームをしましょう」などと教示し、カードを赤と青で分けてもらいます。
先述の通りカードは4種類2枚ずつ計8枚あるので、1枚ずつ子供に手渡し合計で8試行になります。
終わった後に、「今度は形(物)で分けましょう」と言い今度は物を基準に分類してもらいます。
実行機能とDCCS課題
実行機能とは、その人がその目標を達成するための、思考や行動を制御する認知システムを指します。
DCCS課題が難しい子の場合、はじめの条件が2つ目の条件下でも干渉してしまうことがあります。
つまりはじめに色でカードを分類すると、形で分類をするときに事前にルールを確認したにも関わらずつい色で分けてしまう傾向が見られるということです。
DCCS課題は実行機能に関する課題です。
参考資料
『言語ラベリングが実行機能課題に及ぼす効果とその持続性-幼児期に着目して-』(京都大学学術情報リポジトリ)2021年12月4日検索
『日本語版 BRIEF-P の開発』(日本発達障害支援システム学会)2021年12月30日検索