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ダウン症候群者のIQ
最も一般的な遺伝子疾患のひとつであるダウン症候群。
一般にはダウン症と呼ばれることもありますね。
一口にダウン症といってもその症状は個人によって様々で、IQについても同様のことが言えます。
しかしながらダウン症候群者のIQはおおむね50前後が調査や研究報告としては多いです。
また、ダウン症候群は加齢と共にIQに低下が見られることが報告されています。
(ちなみにIQの低下はダウン症に限ったことではなく、精神発達遅滞児に一般的に見られる特徴でもあります。)
このため、ダウン症候群者のIQは年齢時期によってその意味合いが異なります。
ダウン症とIQに関すること
ダウン症候群者のIQの経過
先述の通りダウン症候群は加齢と共にIQに低下が見られます。
例えば斎藤繁氏よるとある症例では
IQが幼児期67、就学前後85、18歳で53、23歳で56という経過をたどっています。
このように考えると、ダウン症候群者の幼児期の平均IQとある程度年齢重ねた年代の平均IQは異なることが予測できますね。
では、成人のダウン症候群者の平均IQはどのくらいなのでしょう?
16歳以上のダウン症候群者の平均IQ
成人のダウン症候群者のIQに関する研究はそう多くはありません。
しかしながら、比較的年齢を重ねたダウン症候群者を母集団とした研究は存在します。
国立身体障害者リハビリセンター研究所の南雲直二氏によると、
16歳以上のダウン症候群者の平均IQは30.78だったそうです。
ダウン症候群者の歩き始め
その他、同氏の論文からいくつか興味深いものを挙げていきましょう。
健常者を含めたIQの場合、平均を100としこの平均をとる人が最も多い。
一方で、16歳以上のダウン症候群者の平均IQは20前後と40弱の2つのピークがみられます。
つまり比較的IQが低い群と高い群に偏るわけです。
一般的な歩き始めの年齢は1歳前後とされています。
ダウン症候群の場合、この歩き始めが遅い場合があります。
調査によるとダウン症候群者の歩き始めは2歳台ないし5歳台が多いようです。
おわりに
以上のようにダウン症の発達にはある程度の共通点が見られるようです。
まあ、あくまで目安であり個人差があるでしょうが。
こういった疾患別の研究は往々にして母数が少ないので。
その他の記事
参考資料
『16歳以上のダウン症候群者のIQ分布と性差』(J-STAGE)2018年2月20日検索
『ダウン症児の知能の経年的変化について』(弘前学院大学 学術情報リポジトリ)2018年11月18日検索