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間違った絵カードの作り方
発達障害児の支援・教育・保育・療育などで絵カードを作る場合、よくある誤りとして
- 不要な情報(ノイズ)が多い
- 1つのカードに複数の意味がある
- 実物とカードの絵が異なる
- サイズが大きすぎる
といったことが挙げられます。
以下、筑波大学の研究論文を基に、絵カードの誤った作り方を整理します。
絵カードを作る際の誤りの例
不要な情報(ノイズ)が多い
不要な情報が多い絵カードは子供の注意が逸れ、伝えたいことがぶれてしまいます。
例えばリンゴの絵カードで、リンゴが置かれているテーブルや家具など細かな背景の描写は不要です。
1つのカードに複数の意味がある
例えば運動場でじゃんけんをしている絵カードは、「運動場」の絵カードなのか「じゃんけん」の絵カードなのか一見するとわかりにくいです。
1つのカードには1つの意味が連想しやすいようにします。
実物とカードの絵が異なる
例えば保育園で黄色い帽子を使っているのに、絵カードでは赤い帽子が描かれているなどです。
「帰るときは帽子を忘れないようにしましょう」といった意図で絵カードを使うのに、実物と絵カードが異なる。
これではせっかく絵カードを使っているのにわかりにくいです。
まったく同じ絵は見つけにくいし書きにくし、写真になんでも撮るのは大変ですが、
より具体的な指示のために絵カードを使う場合はできるだけ実物と絵カードの絵の齟齬がないようにしましょう。
サイズが大きすぎる
絵カードは見やすくわかりやすい物がいいですが、大きければ大きいほど良いというわけでもありません。
子供は大人と比べて視野が狭いので、大き過ぎる絵カードは逆に子供にとっては把握しにくかったりします。
状況にもよるので一概には言えませんが、一般に「大き過ぎる絵カード」とはA4サイズ相当の絵カードを指します。
絵カードの使い方や子供の理解力・年齢などにより様々ですが、例えば絵カードは写真のL版相当が無難なサイズの1つです。
参考資料
『保育者が行う絵カード作成の誤りおよび不適切な使用方法の分類』(日本教材学会 J-STAGE)2020年9月2日検索