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子供にエビ(海老)は何歳から食べさせていい?
子供にエビを食べさせる場合、1歳半~2歳以降が1つの目安と考えられます。
もちろん子供にすでにエビアレルギーがあるとわかっている場合はその限りではありません。
医師の指示に従いましょう。
また、食物アレルギーについては医学的に解明されていない部分も多々ありますので、あくまで目安となります。
エビとアレルギーの関係
エビの食物アレルギーの性質
エビの食物アレルギーは幼い頃よりも中学生~成人にかけて発症する場合が多いです。
食物アレルギーは子供のうちに発症するというイメージを持っている人も少なくないでしょうが、実際はそうとは限りません。
厚生労働省の調査によると、食物アレルギーは2種類に分けられます。
・幼い頃が発症リスクが高い食物
・成人になるにつれて発症リスクが高くなる食物
そしてエビは幼い頃よりも中学生~成人にかけて発症する人が多い食物です。
つまりエビのアレルギーは大雑把に言ってしまうと「子供の頃にならなくても大人になってからなる人はなる」食材と言えます。
除去食は効果があるのか?
エビをはじめ食物アレルギーはどうやったら予防できるのでしょう?
一般に思い浮かぶのは除去食かと思います。
つまり特定の食物を摂らないようにするということです。
では、エビも食べ始めを遅くすればするほど望ましいのでしょうか?
実はそうとも言えません。
日本小児アレルギー学会をはじめ各種機関は除去食にしてもアレルギーの発症を予防できるわけではないと結論づけられています。
むしろ、ピーナッツなど一部の食材では他の食材同様に幼いうちから食べさせることでむしろアレルギーの発症リスクを軽減できるという報告もあるくらいです。
つまり除去食とはアレルギーになった後から行うものであり、アレルギーを予防するために行うものではないということです。
エビを早く食べさせた方がいいという科学的根拠はまだありませんが、逆に遅く食べさせればいいという根拠も乏しい状況です。
エビと離乳食の関係
離乳食は6カ月前後くらいから開始し、1歳半頃に完了します。
離乳食の進め方の目安として信憑性が高いものの1つが、厚生省が公表している授乳・離乳の支援ガイドです。
こちらを参考にすると、離乳食期間中に甲殻類の摂取は特に明記されていません。
つまり「食べるな」とは書いてないですが「○○歳から食べさせる」とも書いていないわけです。
離乳食の期間はおおむね6カ月前後から1歳半です。
生後6カ月~1歳半の間に必ずエビを食べないといけないわけではなさそうです。
生のエビは何歳から?
同じ食材でもその調理方法によって意味合いは変わってきます。
特にエビをはじめとした魚介類は火を通すか生で食べるかでずいぶん違うでしょう。
フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)によると、
種類にもよりますが生の魚介類の摂取は3歳未満は控えることを推奨しています。
このことから、生のエビの摂取は早くても3歳以降が無難と考えられます。
まとめ
以上からまとめです。
エビは何歳くらいから食べさせていいのでしょう?
まず食物アレルギーというものは食べるのを遅らせたからといって発症を予防できるものではありません。
医学的に、エビは何歳からとはっきり決まってはいないのが現状です。
とは言うものの、何か目安は欲しいものです。
例えば一般的な離乳食の時期は6カ月頃から始まり1歳半には完了します。
この間に扱う食材として特にエビは明記されていません。
生後6カ月から1歳半頃は別にエビを食べなくてもよさそうです。
このことから、エビを食べさせるのは1歳半以降でもいいのかなという目安に行きつきます。
ただし生のエビは3歳以降が無難と考えられます。
しかしながら、近年の研究でアレルギーのリスクのある食べ物でも、幼いうちから食べることで発症リスクを軽減できるという報告もあります。
今後の研究によって、アレルギーのリスクを下げるためのエビを食べる年齢がわかるかもしれません。
その他の記事
参考資料
『フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、水産物を食べることについて勧告及び提言を発表』(食品安全委員会)2018年4月30日検索
『授乳・離乳の支援ガイド』(厚生労働省)2018年5月25日検索
『食物アレルギー』(厚生労働省)2018年5月25日検索
『食物アレルギー診察ガイドライン2016 第4章 予知と予防』(日本小児アレルギー学会)2018年5月25日検索
『離乳期早期の鶏卵摂取は鶏卵アレルギー発症を予防することを発見』(国立成育医療研究センター)2018年5月25日検索