「エビデンスに基づいた吃音支援入門」レビュー
「エビデンスに基づいた吃音支援入門」は吃音のお子さんと接する専門家の間でも評判のいい書籍の1つです。
実際に「エビデンスに基づいた吃音支援入門」を読んでみると、
「エビデンスに基づいてわかりやすく説明する」
ということを非常に体現している本だなあと思います。
吃音に限らず専門書は小難しいことを言って「結局結論はなんなの?」と思わせる本も多いですが、
「エビデンスに基づいた吃音支援入門」は本当にわかりやすいです。
吃音について知りたい場合に読む本としては必読の1冊ではないでしょうか。
個人的には、
何度も読み返せる、「身銭を切って買っていい本」の1つだと思います。
「エビデンスに基づいた吃音支援入門」とは?
医学博士である菊池良和氏による吃音の専門書である「エビデンスに基づいた吃音支援入門」。
全体として150ページ程度の、ボリュームとしては専門書というよりはビジネス書に近い外観ですね。
中身もおおむね見開き1ページに1項目の内容構成で非常に読みやすいです。
手書きっぽいイラストが入っているのがこういう「発達に関する本」としてはありがちだなあと思います。
構成としては気軽に読める作りですが、
内容はかなり要点を絞っていて無駄がなく、ページ数のわりにかなりの知識が詰まっていると感じます。
だらだらと経緯を語らず根拠と結果をスパッと言ってくれます。
読んでいて清々しさすら感じさせてくれます。
これ1冊で吃音の全てがわかるとまでは言いませんが、
要点を絞っていながら端折っている感じはなく、
簡潔でありながら筆者の丁寧に伝えようとする誠実さを感じます。
実際に読んで学んだこと
「エビデンスに基づいた吃音支援入門」やそのほかの専門書も踏まえて、学んだことをいくつかピックアップします。
おわりに
エビデンスを知ることは、セラピスト1年目でも、何年も臨床経験を積んだセラピストと肩を並べることができる。
「エビデンスに基づいた吃音支援入門」より引用
「エビデンスに基づいた吃音支援入門」の冒頭の一節です。
本書は一貫してエビデンス(科学的根拠)の重要性を述べています。
個人の感情論ではなくあくまで科学的根拠を大事にしながら、
それでも筆者の吃音の人達を支援したいという熱意が伝わり非常に好感が持てる1冊です。