本の読み過ぎは子供の学力が下げる?
基本的には子供にとって読書は国語力に良い影響があると考えられますが、
1日2時間を超えるような「長すぎる読書」は、子供の読解力を下げる可能性があります。
解説
読書と国語力の関係
小学生の読書量と語彙力と文章理解力には関連があると考えられています。
つまり本をたくさん読む子ほどたくさん言葉を知っていますし、文章を理解する力も高い傾向にあるということです。
しかしながら、読書をすればするほどその傾向が高まるかと言えばそうではないようです。
OECD(経済協力開発機構)の調査によると、1日あたりの読書時間が「1~2時間」の子より、「2時間以上」の子の方が読解力が低かったそうです。
ちなみに、「読書をしない」「1日30分以下」「31分以上1時間未満」「1~2時間」までは、読書時間が長くなるほど読解力も高くなっています。
しかし「2時間以上」の子の読解力は「31分以上1時間未満」「1~2時間」の子よりも低い読解力となっています。
読書時間と文章読解力
長すぎる読書が読解力を「下げる」というよりは、他の活動による成長を「妨げる」と考えられます。
実際に小学生の子供を持つ親や、小学生の生活を目の当たりにしている人なら実感するかもしれませんが、1日に2時間以上特定の活動に時間を費やす生活は、少なからず他の活動(宿題や勉強や睡眠など)に支障が出ることが多いです。
読書は基本的には国語力にポジティブな影響を与えると考えられます。
しかし1日2時間を超えるような読書のし過ぎは、宿題の理解を深める時間や睡眠などの健康にまつわる時間を侵食してしまいます。
結果として読書のメリットより他のデメリットが上回ってしまうことが考えられます。
読書のジャンルと国語力の関係
参考資料
『複数の読書量推定指標と語彙力・文章理解力との関係』(一般社団法人 日本教育心理学会)2023年6月13日閲覧
『語彙力・文章理解力の発達に及ぼす読書のジャンルの影響』(日本読書学会)2023年6月25日閲覧