「嚥下調整食学会分類2013」とは?
「嚥下調整食学会分類2013」とは、日本摂食・嚥下リハビリテーション学会による嚥下食の指針です。
嚥下食の形態やとろみの程度の段階を示しており、摂食嚥下リハビリテーションにおける大きな基準の1つです。
学会分類の重要性
食べることや飲み込むことの障害である「摂食嚥下障害」。
摂食嚥下障害のリハビリにおいて嚥下食は重要ですが、その形態やとろみの程度は現場スタッフの感覚や個人の知識に依存する場合も少なくありませんでした。
そういった現状を踏まえ、嚥下食の形態やとろみの程度、これらの段階をまとめたものが「嚥下調整食学会分類2013」になります。
「嚥下調整食学会分類2013」の概要
「嚥下調整食学会分類2013」には食事の形態と水分のとろみの程度がそれぞれ段階別に記載されています。
食事の形態に関しては0~4の5段階が設定されています。
ただし0は「0t」「0j」、2は「2-1」「2-2」とさらに2つにわかれているため、実質6段階と考えることもできます。
水分のとろみに関しては3段階が設けられています。
食事・水分いずれの段階においてもその外観や特性、必要とされる咀嚼能力が示されています。
一方で、各段階を定義づける具体的な数値というか機器測定による所見はあえて明記されていません。
この背景には、まだ多くの病院がとろみの程度などを測定する機器が導入されていない現状、摂食嚥下障害の状況の個人差を配慮したためとなっています。
おわりに
「嚥下調整食学会分類2013」は摂食嚥下リハビリにおけるスタンダードな指標の1つですが、成人の嚥下障害や中途障害を想定している側面があります。
そのため、
脳性麻痺や小児の摂食嚥下障害においては「発達期摂食嚥下障害児(者)のための嚥下調整食分類 2018」も合わせて活用することが望ましいと考えられます。
参考資料
『日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2013』(日本摂食嚥下リハビリテーション学会)2019年12月25日検索