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遠城寺式の実施方法
遠城寺式の実施方法は各検査問題を評価し、その結果を左側のグラフに記載します。
この際、全ての項目を実施するわけではなく、後述する下限や上限に従い実施します。
以下、遠城寺式の実施方法を見ていきます。
解説
基本の実施の仕方
- 左側のグラフの「暦年齢」の軸に、対象児の生活年齢を記入します。
- 検査問題はそれぞれ合格(○)・不合格(×)で記載していきます。
- 下限・上限に従い必要な項目を実施します。
- 結果を左側のグラフに記入します。
評価は合格(○)・不合格(×)の2択が望ましいですが、実際の現場では「△」や「?」もあり得るでしょう。
下限の決め方
基本的には対象児の年齢相当の問題から開始します。
ただし対象児の発達遅滞が明らかな場合は、妥当と思われる項目から行うことも許容されます。
合格が3つ連続すれば、それ以下の問題は(できるとみなし)省略します。
上限の決め方
基本の上限
合格が3つ連続、その後に不合格が3つ連続の場合、一番最後の合格項目が上限となります。
つまり、以下のようになります。
×
×
×
○ ←上限
○
○
しかしながら、当然合格や不合格が連続しないケースも考えられます。
そのような場合は以下のように判断します。
×の間に○が1つ
合格・不合格・合格、その後に不合格3つ連続の場合、連続合格の1つ上が上限となります。
つまり以下のようになります。
×
×
×
○
× ←上限
○
○
○
×の間に○が2つ
不合格・合格・合格、その後に不合格3つ連続の場合、2つの合格の下の方が上限となります。
正確には、それまでの連続合格の2つ上の項目が上限となります。
つまり以下のようになります。
×
×
×
○
○ ←上限
×
○
○
○
言語理解の空白項目
遠城寺式の言語理解項目は前半に空白の項目が数か所あります。
このため慎重な解釈が必要であり、上限は先述の限りではありません。
「親の話し方で……」が不合格、「いけませんよ……」が合格の場合、折れ線グラフは6~9か月の中間、すなわち7.5に記入します。
遠城寺式乳幼児分析的発達検査の解説(全体のページ)
参考資料
『遠城寺式乳幼児分析的発達検査法について』(認知神経科学会)2023年3月18日閲覧