検査コラム

遠城寺式乳幼児分析的発達検査のやり方・上限と下限の決め方

公開日:2023年3月22日


 
 

遠城寺式の実施方法

 遠城寺式の実施方法は各検査問題を評価し、その結果を左側のグラフに記載します。

 この際、全ての項目を実施するわけではなく、後述する下限や上限に従い実施します。

 以下、遠城寺式の実施方法を見ていきます。

 
 
 

解説

基本の実施の仕方

  • 左側のグラフの「暦年齢」の軸に、対象児の生活年齢を記入します。
  • 検査問題はそれぞれ合格(○)・不合格(×)で記載していきます。
  • 下限・上限に従い必要な項目を実施します。
  • 結果を左側のグラフに記入します。

 評価は合格(○)・不合格(×)の2択が望ましいですが、実際の現場では「△」や「?」もあり得るでしょう。

 
 

下限の決め方

 基本的には対象児の年齢相当の問題から開始します。

 ただし対象児の発達遅滞が明らかな場合は、妥当と思われる項目から行うことも許容されます。

 合格が3つ連続すれば、それ以下の問題は(できるとみなし)省略します。

 
 

上限の決め方

基本の上限

 合格が3つ連続、その後に不合格が3つ連続の場合、一番最後の合格項目が上限となります。

 つまり、以下のようになります。

×
×
×
○ ←上限

 しかしながら、当然合格や不合格が連続しないケースも考えられます。

 そのような場合は以下のように判断します。

 
 

×の間に○が1つ

 合格・不合格・合格、その後に不合格3つ連続の場合、連続合格の1つ上が上限となります。

 つまり以下のようになります。

×
×
×

× ←上限


 
 

×の間に○が2つ

 不合格・合格・合格、その後に不合格3つ連続の場合、2つの合格の下の方が上限となります。

 正確には、それまでの連続合格の2つ上の項目が上限となります。

 つまり以下のようになります。

×
×
×

○ ←上限
×


 
 

言語理解の空白項目

 遠城寺式の言語理解項目は前半に空白の項目が数か所あります。
 このため慎重な解釈が必要であり、上限は先述の限りではありません。

 「親の話し方で……」が不合格、「いけませんよ……」が合格の場合、折れ線グラフは6~9か月の中間、すなわち7.5に記入します。

 
 
 

遠城寺式乳幼児分析的発達検査の解説(全体のページ)

 
 
 

参考資料

『遠城寺式乳幼児分析的発達検査法について』(認知神経科学会)2023年3月18日閲覧

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