遠城寺式乳幼児分析的発達検査とは?
遠城寺式乳幼児分析的発達検査とは小児における発達検査のひとつです。
九州大学の遠城寺さんが作ったことからこの名前になっています。
1958年に作成され、その後に一度改定されてから現在に至ります。
改定後は、遠城寺式乳幼児分析的発達検査(九大小児科改定版)とされています。
遠城寺式の概要
遠城寺式は0歳から5歳くらいを対象にした子供の発達を見る検査です。
正確には0歳から4歳7か月頃までの子供ができることが記載されており、それらと照らし合わせて子供の発達状況を見ることができます。
検査は
・問診
・観察所見
・簡単な課題の実施
にて行います。
各項目に子供が該当するかをチェックしていく方式なので、
比較的簡単で短時間で行える検査です。
そのためスクリーニング検査として使われることが多い検査です。
スクリーニング検査とは比較的初期段階で簡便に行うざっくりとした検査のことです。
スクリーニング検査の結果に応じてその後の詳細検査の選択や療育の方向性などが考えられていきます。
遠城寺式の内容
遠城寺式乳幼児分析的発達検査は
大きく「移動」・「社会性」・「言語」の3つの項目で構成されています。
「移動」は子供の運動面や器用さについての項目です。
「社会性」は人との関わりや生活習慣に関する項目です。
「言語」は言葉の発達の面です。
これらの項目はそれぞれ2つの下位項目があります。
まとめると、
<移動>
・移動運動
・手の運動
<社会性>
・基本的習慣
・対人関係
<言語>
・発語
・言語理解
という計6個の検査項目があります。
移動
移動は「移動運動」と「手の運動」で構成されています。
「移動運動」は文字通り立つ・歩くなどを中心とした移動のための運動です。
ジャンプできるかなども含まれます。
「手の運動」は手先の器用さに関わる部分が多いです。
服のボタンを使えるか、はさみなどの道具を使えるかなどです。
社会性
社会性は「基本的習慣」と「対人関係」で構成されます。
「基本的習慣」とは主に生活面に関する項目です。
ひとりで整容できるかどうかなどです。
「対人関係」は文字通りコミュニケーション面についての項目です。
ごっこ遊びができるかや人と相互的に遊ぶことができているかを見ます。
言語
言語は「発語」と「言語理解」で構成されています。
「発語」は何をしゃべることができるかを見ます。
文章を言えるか。どのくらい質問に答えられるかを見ます。
「言語理解」は言葉を聞き取り理解することに関する項目です。
物の名前や色の名前、そのほか抽象的な概念がわかるかを見ます。
まとめ
遠城寺式乳幼児分析的発達検査とは小児における発達検査のひとつです。
実施することで各項目についてその子がおおよそどのくらいの発達年齢なのかがわかります。
しかし遠城寺検査はその検査の性質上、検査項目も多くはなくざっくりとした内容です。
子供の発達状況を知るためにはプラスアルファで詳細な検査の実施は必要でしょう。
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参考資料
『乳幼児健康診査の手引 改訂第5版 P95~124』(新潟県医師会)2018年11月29日検索