エピソード記憶とは?
エピソード記憶とは、個人の経験に関する記憶のことです。
その人の旅行の思い出や子供時代の記憶などが該当します。
解説
エピソード記憶の位置づけ
エピソード記憶は「陳述記憶」の1つです。
記憶はその内容で分類した場合、「陳述記憶」と「非陳述記憶」があります。
陳述記憶とは言葉やイメージにすることができる記憶であり、「エピソード記憶」と「意味記憶」に分けられます。
記憶は分類の仕方でいくつかの名称があります。
例えば記憶を「時間」で分けると長期記憶や短期記憶といった分類があります。
これとは別の視点として、記憶を「内容」で分けたものが陳述記憶や非陳述記憶です。
エピソード記憶の特徴
エピソード記憶はその文脈も含めて状況を記憶している点が特徴です。
旅行であれば単にどこに行ったかだけでなく、誰と行ったのか、なぜ行ったのか、旅行先でどんなことをしたのかといったことを含みます。
このようにエピソード記憶は(例えばその場で聞いた電話番号のような)ただの情報ではなく、その人の個人的な経験や感情が入っているものであることがわかります。
エピソード記憶はその場だけでなくある程度の時間が経っても覚えているような記憶を指す場合が多いです。
つまり頭の中に常に意識していないと忘れてしまう記憶というよりは、一旦意識の外に出ても再び思い出せるような記憶の類です。
エピソード記憶の例
エピソード記憶の例としては以下のようなものがあります。
- 旅行の思い出
- 子供時代の記憶
- 仕事の経験
- 友人の結婚式での出来事
- この前の休日にしたこと
陳述記憶とは?
参考資料
『実行機能の初期発達,脳内機構およびその支援』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索
『ワーキングメモリトレーニングと流動性知能』(日本心理学会)2022年8月6日検索
『記憶とその障害』(一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)2022年8月15日閲覧