はじめに
「社会的失言検出課題」の例です。
正式な検査ではなく、数をこなして練習できるようあくまで例題です。
といった内容をご理解の上で例題に目を通していただけると理解が深まると思います。
問題文
ミホの中学では、今年の夏休みに自由作文の宿題がありました。
学年の中で出来がいいものは、代表として県が主催するコンテストに出展されるとのことです。
生徒の多くは作文にあまりやる気がありませんでしたが、ひそかに小説家を夢見るミホは、この作文に意欲的でした。
夏休みに熟考し、ミホは納得のいくものを書くことができました。
2学期になり、学年代表が発表されました。
その代表の中に、ミホは入っていませんでした。
ミホのクラスで代表に選ばれたのは、アキラだけでした。
先生は後日みんなの前で作文を発表するようアキラに言いました。
昼休みになり、ミホはアキラにどんなふうに作文を書いたのかアキラに聞きました。
「特に何もしてないよ。さらっと適当に書いただけだよ。正直やる気もあまりなかったし」とアキラは言いました。
少しの間があり、「コンテストでも入賞しちゃったらどうする?」とミホはアキラに聞きました。
質問
①気まずいことや言うべきでなかったことを言った人はいますか?
「いる」場合、以下の設問にも解答します。
②気まずいことを言った人は誰ですか?
③なぜそれを言うべきではなかったのでしょう?
④なぜその人はそのように言ったと思いますか?
⑤その人は何を知っていて、何を知らなかったですか?
⑥相手はどのように感じましたか?
答え
①いる
②アキラ
③ミホは一生懸命作文を書いたにも関わらず、代表に選ばれなかったから。
④みんながあまりやる気のない中で、たまたま自分が選ばれただけと思っているから。
⑤アキラはミホが小説家を目指しており、作文も非常に一生懸命書いたことを知らなかった。
⑥代表に選ばれしかもそのことにあまり喜びを感じていないアキラを見て、ミホは嫉妬や悲しさを感じている。あるいは自分が報われなかったことに情けなさを感じている。
解説
意図せず代表に選ばれたアキラからは、作文に関する無関心さあるいは照れ隠しにも似た言動が感じられます。
ミホの作文に対する熱意をアキラが知らなかった点が、今回の失言につながっています。