失言課題

【失言課題】病気とブラックジョーク|空気を読む練習とソーシャルスキル

公開日:2021年2月2日


 
 

はじめに

「社会的失言検出課題」の例です。
正式な検査ではなく、数をこなして練習できるようあくまで例題です。

失言検出課題とは?
失言課題の設問意図の解説

といった内容をご理解の上で例題に目を通していただけると理解が深まると思います。

 
 

問題文

鈴木さんは広告関連企業に勤めるサラリーマンです。
鈴木さんは癌を患い、近々闘病のため入院することが決まりました。
鈴木さんは仕事の引継ぎのため、後輩である佐藤さんに自身が癌であることを打ち明けました。
佐藤さんはしんみりとしながらも、真剣に鈴木さんの話を聞きます。

しばらくして、午前中は有給休暇で休んでいた田中さんが出勤しました。
田中さんも鈴木さんの後輩であり、佐藤さんの同期にあたります。
鈴木さんは「ちょうどよかった。今、佐藤さんに申し送った案件だけれど、田中さんも協力して進めてほしいんだ。二人にとっては初めての案件だけれど、いい経験になると思う」と二人に言いました。
すると田中さんは「やりがいはあるけど鈴木さんみたいに上手くやれるかなあ。なあ、俺達みたいな半人前じゃあストレスで病気になっちゃうかもしれないな」と笑いながら佐藤さんに話しかけます。
佐藤さんは「それより鈴木さん、この案件のクライアントはどんな感じの人なんですか?」と鈴木さんに言いました。

 
 
 

質問

①気まずいことや言うべきでなかったことを言った人はいますか?

②気まずいことを言った人は誰ですか?

③なぜそれを言うべきではなかったのでしょう?

④なぜその人はそのように言ったと思いますか?

⑤その人は何を知っていて、何を知らなかったですか?

⑥相手はどのように感じましたか?

 
 
 
 
 
 

答え

①いる

②田中さん

③鈴木さんが病気(癌)を患っているから

④場を和ませるためのジョークのつもりだった。

⑤田中さんは鈴木さんの癌のことを知らなかった。

⑥自分の癌のことを再認識して不安や悲しい気持ち。あるいは悪気はない田中さんの発言により、佐藤さんが気を遣っていることに対する申し訳なさや気まずさ。

 
 
 

解説

病気や他人の不幸事を冗談として扱うことは、なかなか難易度が高いコミュニケーションです。

一般にブラックジョークと言われますが、ブラックジョークはそれに該当する人が不意にいたりすると途端に気まずく、リスクの高い言動と言えます。

当然この物語においても田中さんは決して鈴木さんを馬鹿にしているわけではありません。

悪気はないけれどそれが状況によって相手を傷つける、周囲が気まずくなってしまう失言の典型と言えます。

 
 
 

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