はじめに
「社会的失言検出課題」の例です。
正式な検査ではなく、数をこなして練習できるようあくまで例題です。
といった内容をご理解の上で例題に目を通していただけると理解が深まると思います。
問題文
アキラは念願の家を建てました。
こだわりのある、気に入った家を建てることができました。
妻への感謝の気持ちを込めて、キッチンは広めにおしゃれに作りました。
後日、友人でありデザイナーであるヒロシが新築祝いに来てくれました。
「俺の家、どうかな?」とアキラは聞きました。
ヒロシは「キッチンが狭いけれど、そのぶんリビングは広々としていいね」と言いました。
質問
①気まずいことや言うべきでなかったことを言った人はいますか?
②気まずいことを言った人は誰ですか?
③なぜそれを言うべきではなかったのでしょう?
④なぜその人はそのように言ったと思いますか?
⑤その人は何を知っていて、何を知らなかったですか?
⑥相手はどのように感じましたか?
答え
①いる
②ヒロシ
③アキラはキッチンを広く作ったつもりだったから。
④デザイナーとして家の感想を言った。その際にアキラの家に対する気持ちをあまり予想しなかった。
⑤アキラがキッチンにこだわって家を建てたことを知らなかった。
⑥自分が思っているほどキッチンは広くなかったのだと悲しい気持ち。
解説
家というのは大きな買い物です。
一方で、デザインや使いやすさは人それぞれで、誰にとっても完璧な家というものはなかなか存在しないものです。
そのような状況においては、家それ自体よりもその人の労力や背景を考えた言葉が適切であったりします。
つまり、たとえその家に不十分な点があってもそれを他者が指摘する必要はありません。
それを指摘したところで家を易々と建て直せるわけではないからです。
それよりは、「いいリビングだね」「おしゃれだね」といった褒め言葉で「家を建てた嬉しい気持ち」を共有したほうがいい時間を過ごせます。
問題文のヒロシは、そういった相手の気持ちよりも家それ自体の見解を答えてしまっています。